先日、海外就職を目指す人たちに情報を提供するイベントに参加し、多くの就職希望者の方々にアドバイスをしてきました。そのアドバイスなのですが、ほとんどの人へ同じようなことを繰り返すばかり。要約すると「今すぐ動け」でした。
Googleで分からないこともある
「東南アジアで働きたいんですけど、香港しか行ったことがなくて......」
「すぐに今年の正月休みのバンコク行きかホーチミン行きのチケットを取って、現地を見てください」
「グローバルに活躍したいのですが、今の会社を辞めるべきか悩んでいます」
「月曜日から、勤めている会社に海外との仕事をしている部門があるか、それはどこかを調べて、その部門に知り合いを作り、ちょいちょい足を運んでください」
「海外で起業したいと思うのですが、始めてもいいでしょうか」
「とりあえず、会社を辞めず、今日から何か商品なりウェブサイトなりを作ってください。海外でも国内でも、何かを作らなくては何も始まりません」
「海外就職をするのに情報を集めたいのですが、どうすればいいですか?」
「このようなイベントを見つけて参加しているレベルなら、もう充分に情報は集まっているはずです。履歴書を書いて、現地の就職エージェントに送ってください」
自分が海外で働けるかどうかなんて、やってみないとわかりません。東南アジアの首都は空気が汚いので、ひょっとしたらぜんそくの発作が出てしまうかもしれませんが、自分がぜんそくになるかなんて、どんなにGoogle検索をしてもわかりません。
外国人と仕事をすることに喜びを感じるか、あるいはストレスを感じるかも、実際外国人と仕事をしてみなくては分かりません。すでに会社で働いているなら、まずは社内で外国人と絡む仕事に近づいてみるのが一番です。もう会社を辞めてしまっているなら、カンボジアのカレー屋に来ましょう。
東南アジアで働くときに日本と大きく違うのは、前例がないこと、情報がないことが当たり前だということです。プノンペンの片隅でカレー屋をやったことがある人なんていないので、どうやったらお客さんがくるか全く分かりません。法律も未整備なので、警官が消火器を売りに来たときの対応も自分で考えなくてはなりません。そんなとき、いちいち情報を探していても何も進まない。まずは、自分で行動してみて、手探りで歩きながら情報を集めていくしかないのです。
行動しなきゃ何も始まらないというのは、海外就職に限ったことではありません。就活もそうだし、企業に入ってからも、社内の異動はどうなる、企画の立案はどうする、などとあらゆることに関して、行動しないで情報集めだけして悶々としている人が多すぎます。
海外で働きたいのであれば、一番大切なのが行動力。ぜひ、意識的に、今日から何ができるかを考え、今日から行動するようにしてください。(森山たつを)