商売とはいえこりゃあんまり! 就職情報会社が嫌われるとき

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   なくて七癖、なんて昔からいいます。本人に悪意がなくても、その「癖」に周囲がムカッと来て、以降相当嫌われる、ということもよくある話です。それでは、就職情報会社やナビサイトはどうでしょうか。というわけで、今回のテーマは、「ナビサイトが嫌われる瞬間」。

   以下、取材をもとに構成しました。例によって、と言いますか、どこの就職情報会社かはノーコメントです。

業績伸びるとてのひら返したように

ナビするのも大変ではありますが
ナビするのも大変ではありますが
「ぱっとしないときは、よく大学に来ていたのに、Aナビは」

と憤るのは、ある大学のキャリアセンター職員。Aナビは、あるときから急成長を遂げます。すると、

「それまで週1回ペースで来ていたのが、月1回も怪しくなった。こちらが連絡してもうるさそうにするし。もう、Aナビなんか誰が学生に勧めるものか」

   これとまったく同じ話を複数の大学で聞きました。

「就職情報会社は、人員調整が下手。売上げが伸びると、人を増やせばいいものを、なぜか増やさない。それで手が回らなくなって、大学を次々と敵に回す。逆に、好調だった就職情報会社は売上げが落ちてくると、大学への営業を強化する。うちも、Aナビは来なくなり、それまでは好調、ここ最近不調のBナビが急に来るようになった」

   Cナビがある年の合同説明会で、学生が様々な企業を回るように工夫をしました。その工夫とは、一つの区画である企業のブースに行くと、次は別の区画の企業に行くよう社員が誘導する、というものでした。

   この方式を採用することで、知名度の低い企業に対しても、「この『工夫』で、御社にも学生が流れるようになりますから」と営業をかけることができ、合同説明会の企業ブースはほぼ完売となりました。

   ところが。この方式は、学生・企業のそれぞれから大ブーイングを集めることになります。というのも、参加学生が多くなりすぎて、区画から区画へ移動すること自体、ほぼ無理なほど大混雑となりました。

   結局、学生は同じ区画の企業ブースに流れます。最初のうちは、学生に他区画へ回るよう促していたCナビ社員でしたが、

「こんなに混んでいるのに、どうやって移動すればいいんですか!」

と学生が逆ギレ。とうとう、誘導を断念してしまいました。

   収まらないのは、無名企業の採用担当者。学生が例年通り、ほぼ立ち寄らず、

「工夫とやらはどうした!」
石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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