マナー講師の私が葬儀で大失敗 くれぐれも身じたくは万全に

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   先日、葬儀帰りの友人とバッタリ会い、久しぶりなので「ちょっと一杯行こうか?」と誘ったら、「いや......今日は早く帰りたいから」と珍しく断るのです。確かに、葬儀帰りに明るく飲む気持ちにはならないわよね......と思っていると、断ったのは違う理由からでした。

  • 葬儀に出かける機会は突然に
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気づいた時にはすでに遅く

   彼曰く、「午後から葬儀があるため、今朝は喪服と黒い靴、黒いベルトを携えて出かけたのに、ベルトと靴を替えるのを忘れ、茶色のベルトと靴で行ってしまった。恥ずかしくて一刻も早く帰りたい」とのこと。

   それを聞いて私も昔、葬儀場でしでかした失敗のことを思い出しました。

   私も友人同様、葬儀前に仕事があり、喪服を持参したのですが、着替える際にストッキングを黒に履き替えることを忘れ、気づいた時にはすでに焼香の列に並んでいました。履き替えたいけど、着替え一式は最寄り駅のコインロッカーに入れてあるし、焼香の順番はすぐそこまで来ているし......。

   それまで心穏やかに並んでいたのに、ストッキングに気づいた瞬間、逃げ出したい気持ちになり心がザワザワ。おまけにそこにはメディアが取材に入っていて、葬儀場への出入りに全員がカメラのフラッシュを浴びることに。参列者、メディア関係者の視線が冷たく刺さる(ような気がする)。よりにもよって、私の仕事はマナー講師!

   「あってはならない失敗をしてしまった!」

   焼香の間も、ご遺族の方々に「まぁ、なんて格好で来ているのかしら」と心の中であきれられているのではないかと気が気でなく、故人へのお別れの言葉も、ご遺族へのお悔やみの言葉もきちんと伝えられなかったような気がします。

篠原あかね(しのはら・あかね)
リクルートにて企業研修アシスタント、金融機関等での役員秘書を経てビジネスマナー講師として活動。2011年よりスマートコミュニケーションズ代表。ビジネスマナー、コミュニケーション、CS向上等の企業研修のほか、自身の宴会幹事経験をもとに「愛される宴会部長セミナー」も主催。著書に『宴会を制する幹事は仕事も制す。』『マンガ 黄金の接待』(監修)などがある。お客様や社内で愛されキャラになるコツを悩める社会人へ発信中。
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