2016年4月に発生した熊本地震を機に、あらためて地震や噴火、津波への不安が高まっている。首都直下型地震は30年以内に約70%の確率で発生するといわれる。
そんな中、政府と損害保険会社は、2014年に引き上げたばかりの地震保険料を2017年1月から再値上げする。
「保険」というより「社会インフラ」
地震保険は一般の保険と違い、どこの国でも特別な仕組みがあり、いわば社会インフラとなっている。日本では政府が95%以上を引き受け、現在1回の地震で支払われる保険金の限度額は10兆9902億円、保険会社を含めると11兆3000億円。
それでも関東大震災級の地震が発生すると支払い切れない可能性があり、そのため地震保険は加入できる金額を制限している。以下、現行の地震保険の特徴を整理すると、
・単独では加入できず、火災保険に付帯して任意で契約する。
・保険金額は火災保険の30~50%の範囲。建物5000万円、家財1000万円が上限。
・支払いは実際の損害額ではなく、「全損」「半損」「一部損」の3段階の査定による。
・保険料は契約条件が同じなら、どの保険会社も同じ。建物の構造(耐火・非耐火)と所在地(47都道府県)によりランク分けされる。
・4つの割引制度(建築年割引、耐震等級割引、免震建築物割引、耐震診断割引)がある。