アルファベット言えない―26% せめて習ってから海外出ようよ

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英語を使う仕事が与えられない

   我々の研修プログラムでは、店を準備したり、現地人スタッフを雇ったり、何をやるべきかの指示を出したりということは、運営側がやります。最初のうちは、出されたミッションに答える形で慣れていき、だんだん複雑なことをやっていくというステップアップ方式になっているので、英語ができなくてもそれなりの体験ができます。

   しかし、自分でワーキングホリデーに行く場合、このようなお膳立てはなく、一から自分でつくらなくてはいけません。まずは、働く場所を探す必要があるのですが、日本語だけで探せる範囲に「現地でしか体験できないこと」をやらせてくれるところは少ないです。

   さらに、店は従業員として雇うわけですから、英語ができない人に英語を使う仕事を任せることはありません。言葉を話さなくてもできる皿洗いや農作業、日本語だけできればいい日本食レストランのホールや、日本人向けお土産物屋の店員の仕事についてもらうことになります。

   店としては、研修させるために来てもらうのではなく、スタッフとして店に利益をもたらしてもらうために雇うのですから当たり前です。そうすると、「それって日本で働くのと何が違うの?」という話になってしまいます。このように、英語ができない状態で海外に来た場合「お金を払って生活をする」経験はできますが、「お金をもらって働く経験を積む」のは難しいのです。

   ワーキングホリデーは「お金をもらって働く経験を積む」ことができる、非常に便利なしくみです。しかし、そのためには、自分に「お金を払ってもらえるだけの価値」を付ける必要があります。アルファベットが全部言えることはもちろん、ファストフードの店員に求められるくらいの英語力を身につけてから行くと、よい経験ができるのではないかと思います。

   一部の国では35歳までワーキングホリデービザがとれるように法律が改正されたので、焦ることはありません。ちゃんと準備して行きましょう!(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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