上から目線上司と付き合うには 「勝たせ上手」に徹すること(高城幸司)

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ヒエラルキー破壊は許されない

   ただ、実感がなくてもヒエラルキーは存在するもの。さらに言えば、時代は変わっても、ヒエラルキーの上位にいる人は強い立場です。時には、理不尽な人物が上のヒエラルキーにいて、この構造を破壊したいと感じることがあるかもしれません。

   しかし、会社が組織で動いている以上、ヒエラルキーはその根幹を成すものです。破壊しようとする社員を会社は許しません。仮に「うちの職場はダメな上司がいるから、終わっている」と役員とか社長に組織の批判を口にしたらどうなるか?   おそらく、会社であなたの立場がプラスに向くことはないでしょう。

   現状にひたすら耐えることを勧めているのではありません。コミュニケーションを戦略的に駆使して居心地がいい職場環境に改善することは可能です。

   自分はヒエラルキーの上にいるのだから「上から目線でモノを言うのが当然」と感じて、接してくる人がいます。大いに困った存在です。そんな相手に対してどのように対策をしたらいいのでしょうか。例えば、

「そういうこと言ってるからダメなんだよ」
「まだまだだな。努力が足りないんじゃないの」
「君にはわからないかもしれないけど」

のような言い方で部下の力不足を断定的に決めつけたり、「まだまだ!」と必要以上に強要したり、経験や知識が不足していることを執拗に攻撃してくる人。まさに上から目線を感じます。

   私が取材した食品メーカーで、「もっとしっかりしてくださいよ」とか「どうしてできないのですかね」と部下を攻撃する上司に対し、部下たちが悩みを抱えていました。「仕事する意欲がなくなる」、あるいは「気持ちが落ち込む」といったネガティブな声をたくさん聞きました。

   ところが、上司は「指導について間違いはないと確信している」と、問題があるとは思っていない状態。おそらく、上から目線のマネジメントが永遠に続くのでしょう。そう考えると、部下は希望をなくしますよね。

   あなたが気の強いタイプなら「それは決めつけですよ」と対抗することも可能かもしれません。ただ、全面対決になり、上の立場から強権発動でもされたらたまったものではありません。いったい、どうしたらいいのでしょうか。

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
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