失敗して身に付くことがある 贈る言葉は「さっさとやれ」

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   最近、「大学を辞めてブログで食べていきます」と宣言した若者が批判に晒されていました。私個人としては、何をやってもいいし、他人事だからほっとけばいいと思っています。

   ただ、この若者、石田さんに会って話をした、生活のHow toサイト「nanapi」を運営するけんすうさんのアドバイスが実に真摯で、参考になるものでした。

自分の計画でないと身が入らない

「なまけもののソファ」に引きこもっていてはだめだ
「なまけもののソファ」に引きこもっていてはだめだ

   「動画サイトをつくり、その動画を友だちに無料で作ってもらいたいと思っている」「本当にやりたいのは外国人向けの日本カルチャー発信サイト」みたいなことを言っている石田さんに対するけんすうさんのアドバイスを要約すると、

「さっさとやれ」

   これは、実に大切なことです。

   私はカンボジアでカレー屋体験をする研修プログラムをやっています。この研修で多くを学んで帰り、日本で就活や起業をして成功するのは、とにかく「やる」人です。

   最初は我々からミッションを出し、それをこなしていくことで、現地で商売をするためのスキルを身につけてもらうのですが、中盤からだんだんこちらから出す指示の量が減っていきます。すると、指示が減った分だけ行動量が減るチームと、指示が減った分自分たちで新しいことを考えて行動するチームに分かれます。

   研修プログラムなので、落ちこぼれを出さないように行動量が減ったチームには指示出しを続けていくのですが、優秀なチームは後半はほとんど指示を受けることなく勝手に自分たちで計画を立て、行動していきます。

   ビジネスの世界の基本であるPDCAサイクル。Plan(計画)を立て、Do(実行)し、問題点がないかCheck(チェック)して、その問題点を修正し(Act)する。これを何度も繰り返し成功に結びつけるという手法です。この時、自分で立てた計画でないと行動に身が入りませんし、たとえ失敗しても悔しさがないので、チェック、問題点修正もおざなりになります。こういうチームは、我々が「なまけもののソファ」と呼んでいる店内のソファに座っている時間が長くなります。

   起業する人は、基本的に計画を立てるのが大好きで、自分で立てた計画が面白いと思っているので即座に実行します。けんすうさんは、この石田さんにPlan、Doを実行する気配を感じなかったので、アドバイスをしたのだと思います。

   会社に入って仕事をすると、Planを上司が勝手につくってくれて、Doをしないと上司が叱ってくれるというメリットがあります。逆に起業をして辛いのは、Planを誰もつくってくれないから自分が考えないと何も起きないことと、Doをしなくても誰も何も言ってくれないので無駄に時間だけが流れ、お金が減っていくことです。

   若いうちに失敗体験を積んで学ぶのは大切なことなので、どんどん失敗するといいと思います。実際、時間が過ぎ、手元資金の300万円がなくなったときに、はじめて実感が沸いて、その後時間やお金の大切さに気付くのです。

   我々は、このような失敗体験を海外の、ある程度管理された中で体験してもらうという研修プログラムを行っていますが、石田さんは一人で日本社会の中で実行しようとしています。なかなか大変な荒行だとは思うのですが、ぜひ頑張って欲しいところです。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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