学歴不問のさきがけは毎日新聞 上智「中退の星」が扉を押す

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   今回はソニー・学歴不問採用の続きです。1991年、ソニーは学歴不問採用を導入。現在は、学歴不問採用を大規模に導入したさきがけはソニー、という見方が定着しています。私もそう思い込んでいたのですが、改めて調べてみたところ、ソニーよりも早く導入していた企業がありました。

「経営が傾き、話題作りもあって」

アメリカ留学の経験もあって
アメリカ留学の経験もあって

   まず、同じソニーグループのCBSソニーが1989年から実施しています。学生には好評だったようで、「週刊ポスト」1991年5月3日号の記事によると、「88年度の応募者が3000人だったのに対し、89年度は4000人、90年度は5000人と、毎年1000人ずつ増加している」とあります。

   CBSソニーの1989年からさらに遡ること10年、1979年卒から、毎日新聞社が「学歴・経歴不問」を掲げて、採用を始めていました。その事情について詳しく報じているのは「週刊文春」1979年2月15日号の記事「『学歴・経歴不問』毎日新聞 型破り入社試験の合格者」です。

   当時、毎日新聞社は1972年に起きた西山事件などの影響で経営が悪化していました。77年には債務超過から新旧分離(会社分割)に追い込まれ、76年と77年は新卒採用を中止しました。そういう背景もあってか、

「わが社がご存知のような状況ですから、わが社の目玉というか、話題を作りたいという気持もなかったとはいえませんが......」(石原国男・人事部長、「週刊文春」記事より)

と本音を漏らしています。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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