グルメぶる人が苦手である。実際にグルメな人も、ちょっと苦手である。「デートで高級レストランへ行った」というのを自慢気に話す友人がいたら、それが男でも女でも、私は心のなかで「あっそう」と毒づくだろう。
私はグルメに興味がない。というより、資産もなく、将来不安から貯蓄にはげむ一般庶民が、食べる物にむやみやたらとお金をかけるのが理解できないのだ。
小金持ちほどエンゲル係数がムダに高い
「家計のムダをファイナンシャルプランナーが解決する」たぐいの記事をよく見かける。たとえば「夫は大企業務め、妻は専業主婦で子供2人」の家庭で、「夫の年収は800万円もあるのに、なぜか毎月赤字なんです」と言っている。大黒柱である夫がハイクラスな年収を得ているプライドから、奥さんや子供までセレブのような生活をしてしまい、赤字を垂れ流すケースが多い。
ファイナンシャルプランナーは、高級被服費や子供の習い事などへの支出に加え、決まって「高級食材と外食への支出が多い」と指摘する。「奥さんが成城石井でしか買い物をしない」とか、「有機栽培の野菜を定期購入している」とか、「なんでも国産にこだわる」とか、「息抜きのために外食をしすぎている」とかである。エンゲル係数がムダに高いのだ。
別に小市民は贅沢をするなというのではない。高くて良いものを食べたいならそうすればいいと思う。しかしながら、「お金を貯めたい」と思っている人がなぜ、毎日必ずかかる重要な支出=食費に目をつけないのか、理解に苦しむ。