「就職がなかなか決まらない、『コネ』があれば......」と、人生のプレミアムチケットに思いを致す就活学生も、そこここにいることだろう。親や親戚、大学の先生・先輩など、使えるものは何でも使って、と思う半面、「就きたい職種ではない」「入った後が大変そう」などと二の足を踏むケースもありそうだ。
ネットには、コネと、自分自身にとっての魅力的な企業のはざまで揺れる学生のお悩みが寄せられている。
親戚が「SPIさえ受かれば」と
「Yahoo!知恵袋」に、「コネをつかうべき?」という直球タイトルの相談が投稿された(2016年9月15日)。
現在、学部4年、就活中だという投稿者。まだ1つも内定がもらえていないが、「コネがあります」。企業幹部の親戚から、「SPIさえ受かればあとは口添えをしてあげるよ」と甘いお誘いを受けているそうだ。
「とてもありがたいお話」とした上で、「まだ他に魅力を感じている企業があり、挑戦したいと思っています」。
親戚の企業の選考に進みながら挑戦した企業に受かれば、「親戚の顔に泥を塗ることに」なり、他方、「内定がまだないという焦りがあり、とりあえず親戚の会社も受けてしまおうか」と踏ん切りがつかない様子。
「私は親戚の会社を受けるべきではないでしょうか?」と、教えを乞うている。
コネ入社でなかなか辞められず
回答者からは、
「使えるコネは使えばいい。ただし、行きたい会社があるのなら、そちらを先ずは受けてみては? 親戚が、その会社で大きな力を持ってて人一人なんて簡単にコネで入社させられるなら、後で頼んでも力を貸してくれるのでは?」
「自分が行きたい企業を一番に考えれば良いかと。親戚もどうしても貴方を入れたい、という訳では無く、内定が決まらないならウチに来れば良いよ。程度の気持ちだと思います」
「コネは、最後の手段にするのが良いと思います」
と、「コネは滑り止めに」とする意見が多く寄せられている。
自分にとって魅力的だからよい、コネだからよい、という話ではなく、「5年後10年後の自分のビジョンが、どちらの会社で想像しやすいか」を軸に考えるべし、というアドバイスもあった。就職活動では往々にして近視眼的になりがち。長期的な視点で、というのも大事なポイントだろう。
「週刊ポスト」(13年6月28日号)では、こんな事例も紹介されていた。
親がコネで長女を金融関係の会社に就職させたものの、「自分に合わない」と就職から2か月で休みがちに。自身のメンツもあり「絶対に辞めるな」「文句があるなら、自分で次の就職先を見つけてこい」と言い続けた結果、長女は精神的に不安定になり結局退職、心療内科に通う羽目になってしまったという。
これは極端な例かもしれないが、コネで就職した手前、簡単には辞められないというのは事実だろう。コネを使うにしても、その仕事内容や社風に自分がついていけそうか、しっかり考えたほうがよさそうだ。(MM)