このところ就業支援セミナーが続きました。
私は、人材サービス業界で長く講師として活動し、多くの学生や転職者の方々に面接対策指導をしてきました。その経験から申し上げますが、身だしなみに関しては、転職者の方は少し意識が甘いような気がします。
「仕事ができない」と判断される
学生は、事前に学校でマナー講座があり、面接時の服装指導も受けていますが、転職者の場合は、あまり意識せずにいるようで、面接にふさわしくない服装で臨む人が学生より多く見受けられるのです。
例えば男性の場合はこんな感じです。
(1)スーツが身体のサイズに合っていない
肩幅や袖丈が合っていないと借り物のように見えます。また、日頃はボタンを留めずに上着を着ている方が面接時にいざボタンを留めると、きつくてはち切れそう。
(2)よれよれのスーツやシャツ
汚れや皺のあるジャケット・パンツ、シャツはそれだけで減点対象となります。清潔感がないのはもちろんよくありませんし、「身だしなみに無頓着=気が利かない=仕事ができない」と判断される可能性があります。
ある採用担当の方からうかがった転職者のケース。面接時に身だしなみで「?」がついたが、経歴がよく雄弁だったので採用したら、後に職場のトラブルメーカーとなり苦労した、と。その方は、「やはり身だしなみは重要だ」とおっしゃっていました。
(3)靴の手入れをしていない
靴の手入れを欠かさない人は仕事ができる、という傾向があります。よって、靴もしっかりと磨いておく必要があります。
こうすれば学生っぽくならない
続いて女性の場合です。特に今回は復職を希望する方について記します。
(1)場違いなスーツ
面接にはスーツと思う方は多いようで、いちおうスーツは着るのですが、お子様の入学式や卒業式・パーティーで着るようなパステルカラーのものや、派手系のブランド物で受けに来る方がいます。再就職=ビジネスパーソンへの復帰ですから、やはりビジネスにふさわしいスーツを選ぶべきです。
また、よく「リクルートスーツを買うべきでしょうか」と聞かれますが、学生と同じ黒スーツ&白シャツでは浮いてしまいがち。黒・グレー・茶系などのシンプルなデザインのスーツにカットソーやカラーシャツを合わせると、学生っぽくならずに済みます。
(2)カーディガンを羽織る
スカートやパンツに合わせてカーディガンを着てくる方もいます。カーディガンはカジュアルな印象で、仕事に対する真剣さ(採用してほしい! という意欲)が感じられません。面接官の多くは、スーツやジャケットを着用して面接に臨んでいます。受ける側がカジュアルな格好では、会社や面接官への敬意が感じられません。
このように、少し気をつけるだけで減点要素がなくなります。面接時には、それが採用への大事な一歩なのです。(篠原あかね)