第1子出産後も働く女性が初めて5割を超えた。国立社会保障・人口問題研究所が15日に公表した「出生動向基本調査(夫婦調査)」で、53.1%が出産後も仕事を続けていた(2015年6月、50歳未満の既婚女性7511人を対象に実施、6598人が回答)。2016年9月16日付朝日新聞が報じた。これまでの調査では40%前後で推移しており、今回の調査で大幅に増えた。その理由としては「育休の取りやすさ」がある、と分析している。また、結婚による退職は減少しており、2010~2014年の間に結婚前後に就業を継続した女性の割合は72.7%だという。
「まだ半分辞めている」
ツイッターには、「出生動向基本調査(夫婦調査)」の結果について、
「これは良いニュース!」
と素直に喜ぶ人もいるが、
「増えたとはいえ、まだ半分辞めてる」
「働かないと生活苦しいからね(^^ゞ)」
「実際、育休取れないし」
「周りに迷惑かけずに産休育休時短は取れない職場なので、子供が産まれたら一度仕事は辞めようと思ってる。それまではとにかく気持ちを乱さずに仕事だけに集中したい」
「男性は育休取れないよ。1年休んだら席無くなるからね...」
「知人男性が『自分が仕事を離れリフレッシュしたいから(もちろん育児に携わりながら)育休取りたい』と言った話を聞き、張り倒したくなったことがあります。育児ナメんな、ですね」
と、素直に喜べないと表情を引き締める人が多かった。
なかには、
「息子夫婦のために私が時短勤務して孫の世話をしてる。息子の会社は育休も時短も取れない」
といった祖父母世代の声も聞こえる。まさに家族挙げて子育てに取り組まざるを得ない現実が透けて見える。
前出の「出生動向基本調査(夫婦調査)」では、子どもはいるが目下無職で、なお就業を希望している女性に「希望する仕事の地位」をたずねている。その回答は、
正規の職員 7.7%
パート・アルバイト、派遣・嘱託・契約社員 87.5%
自営業主・家族従業者・内職 4.3%
という結果だった。
出産後の女性に働きたい気持ちはあるものの、バリバリ働くのはとても無理、と最初からあきらめているのか。あるいは、パートでもして働かないと生活が苦しいという経済事情があるのか。
子育てしながらの労働が「活躍」という積極的なイメージで受け止められる社会であるといいのだが。(KM)