常に転職を意識? アホか! 他社が誘いたくなる人材たれ(江上剛)

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「終身雇用が揺らぐ現在、常に転職を意識しておいたほうがよいのでしょうか。転職の『しどき』はいつでしょうか」

   あんたアホちゃうか?と言いたくなる。仕事をしていて、常に転職を考えているなんて、今の仕事に身が入らないだろう。そんな人には、転職しようとしてもどこからも誘いは来ない。

  • 今いるその場所で
    今いるその場所で
  • 今いるその場所で

その場所で力を発揮しなさい

   「転職の神様」っていう評論家がいるが、この方は、転職先の仕事でちゃんと成果を上げ、次々と誘いが来るから有利な転職ができるのだ。普通の人が、彼と同じ真似をしたら、単なる腰の定まらない人ということで、絶対に信用されない。

   一所懸命という言葉がある。「その場所で力を発揮しなさい」ということだ。また禅の教えでは「一」に帰るということを教える。それは人というものは、その時その時、一つの役割しか果たせないということだ。「あれもやりたい、これもやりたい、あれにもなりたい、これにもなりたい」などと心をふわふわさせていたら、ろくな者にならないということだ。

   だからあなたは今の仕事を一所懸命にやりなさい。

   その上で転職したくなったら、考えればいい。

   なぜこんなことを言うかというと、仕事とはスキルの積み重ねであり、人脈の形成だからだ。

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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