「週刊朝日」(9月16日号)に掲載された「お金の県民性」という記事が話題を集めている。元データとなったのは金融広報中央委員会の「金融リテラシー調査」(調査期間:2016年2月29日~3月17日/調査対象:地域の人口構成にあわせた18~79歳の2万5000人が対象)で、「金融知識に関する問題の正答率」「老後生活資金の計画を持つ人の比率」「期日通りに支払う意識が高い人の比率」「金融経済情報を月に1回もみない人の比率」「金銭トラブル経験者の比率」といった質問に対する各都道府県の順位が発表されている。
踏んだり蹴ったりの結果に
ざっと中身を紹介すると「金融知識に関する問題の正答率」が高いのは1位「奈良」、2位「香川」、3位「京都」、4位「岡山」、5位「鹿児島」だった。 逆に低いのは47位「山梨」、46位「沖縄」、45位「山形」、44位「青森」、同率で42位「鳥取」「長崎」。
「金銭トラブル経験者の比率」は1位「山梨」、2位「高知」、3位「富山」、4位「鳥取」、5位「愛媛」という結果に。
どうも山梨県がワーストランキングにちらつくが、ほかの「期日通りに支払う意識が高い人の比率」でも山梨県はワースト1位、「金融経済情報を月に1回もみない人の比率」でも山梨県はワースト5位。
山梨県民は「金融経済情報を月に一度も見ない」がゆえに「金融知識に疎く」、「金銭トラブルに遭いやすく」「お金も期日通りに返す意識が低い」という踏んだり蹴ったりの結果となってしまった。
同記事では、山梨県民の金融知識が低い原因として、『出身地でわかる人の性格』の著者である岩中祥史氏が「山梨では金銭の互助組織『無尽』があり、金融知識がなくても仲間のつながりでやっていける風土」だからではと分析する。
「無尽をやるようになったら」
はたして真相は、とツイッターをのぞいてみると、
「無尽をやるようになったら一人前の山梨県人」
「賭博と無尽の違いは、負ける(お金がもらえない)リスクがあるかどうか」
「無尽というよりは、『お金にまつわることは、全てお任せ』という山梨中央銀行の存在。県内ではコンビニのノリで支店が見つかる。信金より地域密着。収入・支出・借入・貯蓄・運用の全てが中銀で完結するからな」
「山梨で言うところの『無尽』、沖縄でも『模合い』といってやってる」
「山梨の『無尽』は旅行費用積立や株運用に使われていて、我が老親は年金をつぎ込んでます。沖縄の『模合』は単なる飲み会で、知ってる模合では毎回じゃんけんで勝った人がお金を総取り」
「山梨県民だけどお金は崩すもの」
「山梨県民お金大好きだしケチだし欲がやばいから......」
と、確かに独特の金銭感覚があるようだ。
「金融リテラシー調査」に偏りがあるのかと、ソニー生命保険株式会社の「47都道府県別 生活意識調査」を見てみると、こちらでは山梨県はめぼしい調査結果に登場しない。
しかし「貯蓄が最も多い都道府県は?」という質問に1位「香川県」426.4万円、2位「奈良県」409.0万円。「住まいにお金をかけたい県民が多い」の1位も奈良と、やはり奈良県民は堅実なようだ。
仕事相手や結婚相手を見つけるときは出身県を確かめるのも大切かも。(KM)