疲れたとき、気分転換にお菓子をひとつ......思わずにっこり。 職場への置き菓子サービス「オフィスグリコ」を導入する事業所が全国約10万か所に達するなど、「仕事場とお菓子」は切っても切れない関係のようだ。
水羊羹のお礼にクッキーを
ところがどっこい、実際の職場ではお菓子をめぐるトラブルがけっこう多いらしい。Q&Aサイト「発言小町」には、「お菓子の差し入れをしたら、同僚が急に冷たくなった」という書き込みがあった(2016年9月4日)。
投稿したのは40代パート勤務の女性。ある日、「お菓子作りは初めて」という同僚が水羊羹を作ってきてくれ、みんなで食べた。お礼の気持ちで翌日、投稿者がクッキーとマフィンを差し入れたところ、職場の仲間に大好評。その同僚も「すごいね!」とほめてくれた。しかし、それ以降はよそよそしくなり、向こうからは一切話しかけてこなくなったという。
「どうしたら良いでしょうか。仕事も何となくやりづらいです」
と女性は問いかけたのだったが、回答者からは非難轟々。
「はた目には『私の方が上手なのよ』とコテンパンにしてやろうという感じに見える。わざわざ翌日に作らなくてもいいのに」
「完全にマウンティングですね」
「張り合うように翌日に手作りお菓子を持っていくなんて嫌味でしかないじゃん。しかも品数増やして、水羊羹より手が込んでるし」
「新車(国産車)を購入した人に『奇遇だね~私も新車にしたんだ~』と言った後に『あ、でも私はベンツだけどね~』と言って自慢したみたいなものです」
その同僚が気を悪くするのも無理はないという叱声が飛んだ。こうした厳しい反応に投稿者は、
「びっくりしました! えーっ、そんなに嫌味にとるの? というのが正直な感想です。本当に張り合うつもりはなかったんです。今度からは気をつけます」
と反省しきり。
そもそも配らなければいい
折しも、発言小町では「職場でお菓子外しをするな」というトピックが問題になったばかり(2016年8月12日)。
こちらは、お土産や取引先からもらったお菓子を、自分が嫌いな同僚を飛ばして「配りたい人にだけ」配ったところ、先輩から「配るなら全員に配って。足りないなら私はいらないから。特定の人に配らないのは『お菓子外し』といって、とても悪いことだからやめてね」と注意されたという内容だ。
これら2つのトピックへの回答のなかには、
「そもそも配らなければいい」
「こういう面倒も起きるし、お菓子配りなんかやめよう。健康上あまり食べたくない人もいるし、本当は甘いお菓子が苦手な人もいる。手づくりお菓子はカロリー記載がないから困る」
「会社はお菓子の腕を披露する場ではない。たいていの場合、お付き合いで食べてあげているだけ」
と、つきまとう厄介さから「もうお菓子はやめよう」と呼びかける声もあった。お菓子ごときでトラブルに巻き込まれるのはたくさん、といったところか。
ツイッターにも、
「職場に普段食べられない地方の美味しいお菓子や、食べたことのないお菓子。たくさんたくさんありがとう」
と素直に喜ぶ人がいる一方、
「休み明けにお土産のお菓子配るの面倒くさい」
「ダイエット中だから勘弁してほしい」
「職場で不倫してた人、その相手とほぼ同時期に夏季休暇申請しただけでなく、さらに2人で同じ観光地のお土産職場に持ってきたらしい」
など、心がざわついている人も少なからずいた。
どうやらお菓子を甘く見ないほうがよさそうだ。後味悪い思いをしないよう、職場に差し入れる際にはご注意を。(KM)