外食チェーン業界の「ワンオペレーション」、低賃金でオーバーワークを強いる「ブラックバイト」、十分な権限や報酬が与えられていないのに管理職とされ残業手当が支払われない「名ばかり管理職」など、たびたび労働者の酷使が問題となる日本の労働環境。
「アシスタントで年収600万円」
その一方、人もうらやむ「地上の楽園」のようなホワイト企業も、世の中には存在するらしい。女性のための匿名掲示板「ガールズちゃんねる」に「自分の会社がホワイト企業だと思う人」(2016年8月1日)、「ホワイト企業あるある」(2016年4月14日)というトピックが立ち、その内容が注目を集めている。
いくつか紹介すると、
「うちは、定時でみんな一斉にタイムカードを押して退社。上司が『残ってはいけない。私が残るとみんな帰れない!』といって一番に退社している。会社が福利厚生クラブに加入している。年間休日が114日。1カ月に21日働いたら良いので1か月が31日ある月だと休みが10日間ある。バースデー休暇もある」
「年間休日って125日ぐらいないと多いって感じしない。うち127日」
「上司がかなりのイクメン。『今日はオレが子どもを風呂に入れなきゃいかんからな!先に帰るぞ! すまんな!』みたいな人なのですごく仕事しやすいです」
「勤務時間は8~17時で残業ほとんど無し。給与と年2回の賞与の他、決算期に賞与とほぼ同額の決算手当をもらえる。希望者は積み立て無しで海外や国内の社員旅行に行ける」
「ただのアシスタントで年収600万貰えます。有休はきちんと使えるし、各種手当も完備。オフィスは都心の新しくて綺麗なビル。女性社員はみんな産休・育休取って帰って来る。絶対辞めない」
「外資です。育休取りやすい。有休取りやすい。変なお局とかいない。上下関係に厳しくない。服装適当でもOK。勤務中の個人的な用での外出OK。とにかく自分の仕事をきちんとこなせば基本的に自由」
「『ブラック』と言われる介護職だが、入職一年半目、平社員で月収29万です! ?休日110日、希望休取れます、ボーナスも年2回でン十万あります!」
「休みに誘われないところ。休みは私の休みなので」
「残業代が1分単位」
「辞める人がいないから同期会が何年も同じ人数でできる」
などなど、にわかには信じがたい話がずらり。
「なんか心が沈むから......」
そうした報告を読んだ人からは、
「ブラックに喧嘩売ってんの?」 「現在就活中...まだ内定もらえてない。この話題、なんか心が沈むから、もう見ない。おやすみ」
「みんな社名、業界名あげてほしい!物流業界はおわっとるよーん」
「うらやましすぎる...! 私なんて半日休暇出しただけで、すごい怒られる」
「うらやましすぎて、涙でトピが読めない...せめて有給は消化したいよ。同じ人間なのに。ううううぅ」
「どうやって就職できたか教えて」
「ここにあがってるような会社が増えるといいな」
といった悲鳴にも近い羨望の声があがっていた。
日本の企業が変わる兆しとしては、エステティック大手のTBCグループが、求人情報と実際の労働条件に相違がない「ホワイト求人労働協約」をむすんだというニュースがあった(朝日新聞2016年8月26日付)
これから日本の労働力人口は年々減るばかり。一人ひとりが働きやすい職場に巡り合い、存分に力を発揮して社会を支えたいものだ。(KM)