続柄で紹介するのはいかがか
多勢だったのは「夫派」からの援護射撃だ。
「夫でいい。『妙に対等ぶって賢しらで生意気』だなんて。平成だというのに、こんな男性優位がまだあるのですね。対等ぶって、ではなく夫婦は対等。夫と呼んで何が悪いの?」
「私は夫と呼びます。法律用語は夫、妻 です。人がどう呼ぼうが気にしません。」
「私も夫です。知人には『うちの相方』という人もいますが、漫才師みたいだな~と感じて私は使えません」
TPOに応じて使い分けるという「柔軟派」も少なくない。
「他人との会話で『主人』なんてのは、単なる記号ですよ。共通認識を得るためのアイテムにすぎません」
「小生的には『主人』という言い方に極端に嫌悪感がなければ、単に使い分ければいいのではないかと思いますがねぇ」
と武張った議論を受け流す。
ところが、というか、やはりというか「主人派」の音量が大きい。
「夫より稼いでいますが、『主人』といいます。外で夫や旦那という言葉を使うのが好きではないからです」
「『夫』は続柄。社交の場において一番失敗がないのは、やはり『主人』という呼び方。一家の主たるご主人を、社交の場で続柄で紹介してしまうというのは夫の立場もなくしますし、妻の印象も下げてしまいます」
「当方50代半ばですが、かつては正式な場では『主人・家内』でした。もっと古い大正時代の祖父母は『おまえさん・おまえ』でしたね。まあまだ昭和の世代も年長者として多いので目上の人の前では『主人・家内』が無難かも」