キャリアアップや結婚、出産など、女性は男性よりもライフステージの変化の影響を被りやすい。そのためか、男性に比べて女性のほうが転職率も高い(厚生労働省「平成27年雇用動向調査結果の概要」より)。
人気はあるが狭き門
正社員勤務を希望する女性向け求人情報サイト「エンウィメンズワーク」が、「仕事の選び方」をテーマにアンケートを行なったところ、転職を希望する女性が何を重視しているかが分かった(調査対象:「エンウィメンズワーク」 利用者/有効回答数:女性595名/調査期間:2016年6月23日~7月20日)。
まず、「就きたい職種」をたずねたところ、「一般事務」67%、「営業事務」33%、「総務・人事」23%、「受付」19%、「経理・財務・会計」16%となり、事務職が圧倒的な支持を集める結果となった。
2016年6月の有効求人倍率は1.37倍。求職者に有利な状況が続いている転職市場だが、「一般事務」の有効求人倍率は0.28倍。非常に狭き門である。
一概にはいえないが、仕事上の責任が重かったり、異動・転勤を求められたりする総合職よりも、ワークライフバランスの取りやすい一般職を望む女性が多いのかもしれない。
ツイッターを見てみても、
「転職したばっかりだけど転職したい??わたしやっぱり管理系の事務の仕事の方があってる」
「転職するときは一般事務やりたい。PCと1日中睨めっこして珈琲飲みながら涼しいオフィスで仕事したい」
「次働くならお盆休みがあって、残業時間にすることは事務だけのとこがいいなぁ?...」
こんな感じで事務職を希望する人が多かった。
妥協できること、できないこと
次に、「仕事の選び方」調査の「仕事を選ぶ際に妥協できることは何ですか?」を見てみると、第1位は同率で、「業界」「残業時間」「勤務開始日」が30%、以下「雇用形態」24%、「通勤時間」20%、「給与」19%、「勤務時間・曜日」「勤務地」18%と続く結果になった。
それぞれアンケート回答に寄せられたコメントを見てみると、残業時間については、「働きがいがあり、職場環境が居心地のいいものであれば、多少の時間外や残業は気にならなくなる」、業界については、「業界よりも仕事内容重視だから」といった声があがった。
反対に、もっとも妥協できないのは「職場の雰囲気」8%。「職場の雰囲気が良くないと、長く続かない」「職場の雰囲気が良ければ、仕事へのストレスも軽減される」といったコメントが多く見受けられた。
こちらもツイッターに意見を拾ってみると、
「働きながらの転職活動だったので、ネットの転職サイトを利用したが、家で簡単に職場探しができ非常に助かった。動画を見れるので職場の雰囲気がわかって良い」
「まぁ前職は家から近くて良かったけど、職場雰囲気悪くて体調崩しちゃったからねぇ...仕方なく転職です。職場の雰囲気って重要だよね~(いくら給料良くても続かなかったら意味無いしね)」
「どんな仕事でも続けられる最大の理由は人間関係。今の仕事はほんと職場の雰囲気悪すぎて毎日吐き気が止まらない。早く転職しなくちゃダメになる」
と切なる声であふれている。最近では、転職前に職場の雰囲気を知るため、企業のホームページを見たり、口コミサイトで確かめてみる人も多いようだ。
転職はキャリアアップのチャンスたが、「この会社とは合わない」という理由で短期間に何度もジョブチェンジを繰り返していては、自分の評価を損ねる危険性もある。転職するときは、「職場の雰囲気」を事前に見極める慎重さも求められそうだ。(KM)