バージョン7発売の影響及び 値下げドミノ待つiPhoneへき地

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   iPhone7が発売されます。

   スマートフォンの進化もある程度頭打ちになった感があり、私はいまだにiPhone5sを使い続けています。3G→4の頃や、4→4Sの頃は、Androidもまだ使い勝手が悪かったし、iPhone自体もバージョンアップごとに劇的に進化を遂げていました。

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庶民も中古iPhone片手に

   しかし、最近は、バージョンが上がっても、劇的な進化は期待できず、まあ買わなくてもいいかな......という感じです。また、Androidも進化しているため、10万円出してSIMフリーのiPhoneを買うモチベーションも生まれてきません。

   そんなiPhoneですが、カンボジア在住の私でもiPhone7は買えるのでしょうか? 答えは、「中古なら買えます」。

   iPhoneは、発売が発表されてから、順次各国で発売されていきます。アメリカや日本は早いですが、フィリピンやタイは遅いです。カンボジアなどは、おそらく世界の最後のほうに発売されるため、正規の販売はまだまだ先でしょう。

   ちなみに、新品のAndroidスマホが100ドル(10000円)くらいから売っているカンボジアでも、新品のiPhoneの値段は日本のApple StoreのSIMフリー版と大差なく、7万円とか10万円くらいになってしまいます。

   そんなものを、月給2万円のカンボジアの庶民が買えるわけはないのですが、街中にはiPhone片手に歩いている若者がたくさんいます。彼らが手にしているのは、おそらく中古のiPhone。

あっという間に市場が飽和

   正規のiPhoneがなかなか発売されないので、一刻も早く最新型が欲しい見栄っ張りの金持ちカンボジア人が、日本など早くから売っている国のiPhoneを輸入します。そうすると、「カンボジアでは、意外とiPhoneが売れる」ということで、輸入業者が最新版の新品だけでなく、中古品も送るようになります。その結果、世界中の中古iPhoneがカンボジアに集まってきます。

   最初はそれなりに高値で取引されるのですが、なにせ人口が1500万人しかいない上にそのほとんどが農民のカンボジア。市場はあっという間に飽和し、入ってきた中古のiPhoneは行き場を失い、どんどん値下がりしていきます。

   おかげで、中古のiPhone5が100ドル、4sになると70ドルという値段で販売されています。これから、iPhone7が出回るようになると、今、盛んに使われているiPhone6sが売られ、ところてん方式で6Sの値段が下がり、6の値段が下がり......となり、その先も値段の低下が続くと思います。

   私がカンボジアに住み始めた3年前には、日本のリサイクルショップが大きな利益を上げていました。日本では売れないような中古品をコンテナで運んで、カンボジアで売る商売。仕入れ値がほぼ無料なため、輸送費だけでショップに並べられるとあって、利益率は非常に高かったと思われます。

   しかし、イオンモールができたり、日本以外の国から輸入をする業者が出てきたりしたことで、多くの質のいい新品が簡単に手に入るようになり、ほとんどの人がそれなりにものを手に入れて飽和状態になったこともあり、このリサイクルショップは早くも下火になっています。

   あっという間に新規業者が参入してよりよいモノが流通する、さらに、市場が小さいのであっという間に飽和するという2つの問題から、カンボジアで商売をするのは実に難しいのです。

   ただし、足りないものばかりで、遅れている業態もたくさんあるので、新規参入するチャンスはまだまだあるかもしれません。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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