若手社員が会社で悩まされる問題の一つが「先輩との仕事上の協調」だろう。ろくに説明を受けずに「やってみろ」と言われたり、面倒事ばかり押し付けられたり......そんな愚痴をよく耳にする。
逆に「仕事をさせてもらえない」という悩みを抱える後輩もいるようだ。何でもできちゃう先輩も困り者?
モチベーションも下がり
Q&Aサイト「発言小町」に、入社4年目のSE(システムエンジニア)からの相談が寄せられている(2016年8月26日)。
今年から2年上の先輩と二人で仕事するようになったが、その先輩が「なんでもやってしまいます」。
わからないことがあって聞くと、先輩が大体やってしまう、投稿者の仕事に修正を要する箇所があったら先輩が修正し、投稿者はそれを確認するだけになってしまう、など。
「優秀な先輩なので、先輩が自分でやった方が早いのもわかるのですが、私にも自分で試してみたり、考えてみる時間がほしいのです。ただ渡されてそれを使うだけではもうそれは私がやった仕事ではないですし、仕事に対するモチベーションも下がってきています」
とこぼす。
「時と場合にもよるとは思いますが、先輩がなんでもやってしまうのは正しいのでしょうか」
と、意見を求めている。
「優先順位考えると自分で」
回答者からは、
「今は歯がゆいかもしれませんが、出来るだけ先輩のノウハウを吸収することに徹してみてはいかがでしょうか。幸いトピ主さんには仕事に対する真摯さが備わっているようなので」
「SEという仕事柄教え方が下手の人は多いと思いますが、それに頼るのではなく、先輩よりもさらに先を読んで仕事するのもいいと思いますよ。なので、普段の先輩の動きを読んでみてください」
など、「何でもやっちゃう」先輩に学べ、とポジティブ思考のアドバイスが。
一方、自身も「何でもやっちゃう」先輩だ、という人からは、
「私は年上の後輩になりますが、手が遅い先輩がいます ついつい自分でやってしまいます その方が早いし、段取りしやすいからです 先輩も悪気はないけど、仕事は早く終わらせたいタイプではないでしょうか?」
「仕事は多量にあり、物分かりの悪い後輩のためにゆっくり時間をかけることができないからです。優先順位を考えると、自分でやってしまった方がよい、という判断になります」
などと、先輩にも理があるのだという訴えが寄せられている。さらに、
「トピ主さんもあと2年したら、後輩を指導し、後輩のミスを自分の責任でチェックし、そして自分の仕事もこなすのですよ。完璧にできますか? 6年目には荷が重いと思います。先輩だって『先輩練習中』なんです」
と、投稿者に奮起を促す忠言も投げかけられた。
「もう4年目なんだから一人で完璧に仕上げる心持ちでやらないと」というような厳しい意見も含め、多くの回答が寄せられ、投稿者は「参考にさせていただきます」と一言、簡潔に礼を述べた。
「できすぎる先輩」、「できない先輩」、「できる後輩」などをめぐる悩みの事例は、ネットをざっと見渡しても枚挙にいとまがないようだ。それぞれが苦しみながら乗り越えていくのが筋だろうが、参考になりそうな意見をネットに拾うというのも、またご時世か。この投稿者にもいい打開策が見つかることを祈りたい。(MM)