営業でも「バトンパス」重視
その目的は、推進と事務の明確な分業による協力体制の強化、担当者の営業活動とリンクしたリーダーの逐次情報共有とフォロー、担当者同士の情報交換による成功体験共有とそこからの営業スタイル確立......等々を実現することにあります。協力体制の確立により個々の持つスキルの和を上回る力を発揮させる、それがリオ五輪のリレーチームとも共通する「スタープレーヤーに頼らない営業チーム強化」のあり方なのです。
言うなれば、チーム内コミュニケーションこそ、バトンパスそのものなのです。私はR社でもC社でも、コーチ役であるリーダーが基軸となる、相互コミュニケーションに支えられた協力体制を確立していくことで、「エース不在でも強い営業チーム構築」を実現してきました。
営業に限らず、組織内のチーム強化を考える時に、ついつい走りがちになる路線が「軸となるエース養成」や「現下のエースの更なる飛躍期待」なのですが、チーム力向上の点でそれは決して得策ではないという事例を私はたびたび目の当たりにしてきました。
皆様の職場で似たような問題にぶつかった折には、今回の五輪陸上リレー日本チームの活躍を思い出していただき、目先を変えて、まずはコミュニケーション強化による協力態勢確立に注力してみてはいかがかと思います。(大関暁夫)