台風で遅刻した分、給料減った 僕に落ち度はないのになぜ?

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弁護士回答=日給月給制ではノーワークノーペイが原則

   自然災害の場合の遅刻については、日給月給制を採用している会社では、原則として会社は労務の提供を受けた分の賃金を支払えばいいことになっています。したがって、会社は台風で従業員が遅刻や欠勤をした場合、法律上は原則としてその部分の賃金をカットしてもよいことになっています。この原則をノーワークノーペイといいます。

   会社の責任によって労務の提供ができなかった場合は、ノーワークノーペイは適用されず、賃金を支払わなければなりません。もっとも、台風の影響で遅刻した場合は会社に責任があるとは通常考えられないので、会社は遅刻分の賃金を支払う必要はないでしょう。

   何があっても遅刻した分の給料はもらえないのでしょうか。

   まず、会社が日給月給制ではなく完全月給制を採用している場合は、遅刻・欠勤をしても賃金控除はされないので、台風の影響で遅刻をしても給料カットはされないことになります。

   また、会社の就業規則を確認すると、「天変地異により出勤することが困難な場合は交通遮断休暇を与える」という規定が定められている場合があります。これは特別休暇の一種です。その交通遮断休暇を有給にしているか否かは会社によって異なりますので、一度就業規則を確認してみるべきでしょう。

岩沙好幸(いわさ・よしゆき)
弁護士(東京弁護士会所属)。慶應義塾大学経済学部卒業後、首都大学東京法科大学院から都内法律事務所を経て、アディーレ法律事務所へ入所。司法修習第63期。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物が好きで、最近フクロウを飼っている。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」を更新中。編著に、労働トラブルを解説した『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)。
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弁護士法人アディーレ法律事務所 篠田恵里香


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