今年の夏は、台風の影響で大変な思いをされた方も多かったのではないでしょうか。特に北海道や東北では記録的な雨量となり、河川の氾濫や停電、農作物への被害も甚大だったようです。これほどまで大きな台風でなくても、雨や風の影響で電車が遅れてしまうことは珍しいことではありません。今回は、天候の影響で遅刻してしまった場合の給料について、法律ではどのように決まっているのか、エピソードをもとに解説いたします。(文責:「フクロウを飼う弁護士」岩沙好幸)
事例=不可抗力の遅刻、上司にも報告したが減給され
昨年、台風の影響で電車が止まってしまい、出勤時間に間に合わない日がありました。僕は、その時電話で上司に電話をして、遅刻しそうなことを伝えると、「台風だから仕方ないね。電車が動かないとどうしようもないから、気を付けて来るように」と言われて、遅刻扱いにはならないのだと安心して、3時間ほど遅れて出社しました。
しかし、その月の給与明細を見てみると、遅刻分が給料から引かれていたのです。確かに遅刻したことは事実ですが、自然災害のせいで僕が悪いわけではないですし、上司も「仕方ない」と言ってくれていたのに給料カットなんて「あり」なんでしょうか? その分の給料ってもらえないものなのでしょうか?