部下が育てば自分を利する ゲームのつもりで楽しめ(江上剛)

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小さな成功体験を積ませる

   しかし同じ指導を明智光秀に行ったら、謀反という形で返されてしまった。あの信長でさえ部下の育て方を間違ったと言えるだろう。そうであれば、あなたが間違えないはずはない。

   新入社員の育て方は、信長が秀吉にしたように「達成感を得られるような課題を与え続ける」ことだ。私の経験からもそれが一番だ。

   これって子育てと一緒。小さな成功体験を積み重ねさせること。ちょっとした契約を取れば、「よくやった! お祝いだ!」と褒めてやる。褒めて認めてやらないと人は育たない。

   小さな失敗ですぐに怒鳴ったり、契約を取ってきても「こんな小さな契約で喜ぶんじゃない。ノルマはまだ未達だ」などというから萎縮して、やる気がなくなるんだ。せっかくの能力も発揮できない。

   私だって、小さなミスを指摘する部長に仕えたとき、ミスして怒られないかとびくびくしてノイローゼになりそうになったことがある。叱られるのが怖くて書類が提出できなくなったんだ。辛かったなぁ。

   とにかく小さな課題を与え、上手くいけば「褒める」こと。これが大事だ。そして次の課題を与え、またそれをクリアーすれば「褒める」。ロールプレイングゲームをやっているつもりで楽しんでやればいい。そうでないとあなた自身が潰れ、ゲームオーバーになってしまう。(江上剛)

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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