部下が育てば自分を利する ゲームのつもりで楽しめ(江上剛)

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「新入社員が扱いにくい。どう教育すればいいのでしょうか」

   質問が漠然としているなぁ。扱いにくいっていうのは、不平不満が多いのか、それとも根本的に能力がないのか。

   不平不満が多い新入社員は、私自身のことを考えると、その内容次第ではものすごい人材かも知れないから、ちゃんと耳を傾ければ、すぐに力を発揮するようになる。新入社員の不平不満を受けとめられないようじゃ、あなたが上司失格だ。

なぜ新人を育てるのか

育てることを楽しめばいい
育てることを楽しめばいい

   根本的に能力がない新入社員もいると思う。そういう人材は、どうしようもない。別の仕事に転職するように勧めたらどうかな。

   そんなの無理?

   だったらあなたがイライラしないようにすることだ。力不足の新入社員の扱いで、あなたがノイローゼになってしまう。そして「部下を育てられない管理者」という烙印を押され、あなたがスポイルされる。それってすごいとばっちりだ。

   そもそも、なぜ新入社員を育てるのかと考えたことがあるか。そんなこと考えないでも分かるって? 答えは、「新入社員を育てるのは、早期に戦力化することが会社のためになるから」。それは正しい。

   もうひとつは、あなた自身のためだ。新入社員は、まっさらな人材。あなた色に染めれば、長い会社員生活で、あなたの支持者になってくれる。上手く育てれば、あなたがトップへの階段を上っていくのに最適な踏み段になってくれるだろう。

   例えば信長と秀吉の関係みたいなものだ。信長は秀吉の能力を見抜き、課題を与える。秀吉は、それを次々とクリアする。そのたびに信長の勢力は拡大し、トップへの階段を上って行った。

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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