心のチェック、「食物」も大切 「野菜」処方の医師に意を強く

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うつ病にならないためにも

   ストレスチェックは、セルフケアとセットで成り立つものだ。セルフケアにおける食物の重要さを省みれば、チェックのほうに「食物摂取項目」が入っていてもなんら不思議はない。

   うつ病は、脳内伝達物質のセロトニンの代謝障害ともいわれ、脳内伝達物質を補給するには食物の力が必要だということがわかってきた。良質なたんぱく質、新鮮な黄緑色野菜、果物などの摂取が欠かせないのだ。食べているが加工食品ばかりでは栄養が偏り、俗にいう「新型栄養失調」のおそれがある。

   セルフケアにはバランスよい栄養素が必須である。いまやデイヴィス医師のように、薬ではなく野菜と果物を処方する人も現れた。多くの職場で使用されているTHQストレス診断は、この点をしっかり押さえている。一つの質問項目も変えずに守り続けてきてよかったという思いを新たにしている。

   THQを必ず使えとは言わないけれども、人事担当者には、社員の健康向上のために「生活習慣」を視野に収めたストレスチェックを採用していただきたいと願うばかりだ。(佐藤隆)

佐藤隆(さとう・たかし)
現在、「総合心理教育研究所」主宰。グロービス経営大学院教授。カナダストレス研究所研究員。臨床心理学や精神保健学などを専攻。これまでに、東海大学短期大学部の学科長などを務め、学術活動だけでなく、多数の企業の管理職向け研修にも携わる。著書に『ストレスと上手につき合う法』『職場のメンタルヘルス実践ガイド』など多数。
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