うつ病にならないためにも
ストレスチェックは、セルフケアとセットで成り立つものだ。セルフケアにおける食物の重要さを省みれば、チェックのほうに「食物摂取項目」が入っていてもなんら不思議はない。
うつ病は、脳内伝達物質のセロトニンの代謝障害ともいわれ、脳内伝達物質を補給するには食物の力が必要だということがわかってきた。良質なたんぱく質、新鮮な黄緑色野菜、果物などの摂取が欠かせないのだ。食べているが加工食品ばかりでは栄養が偏り、俗にいう「新型栄養失調」のおそれがある。
セルフケアにはバランスよい栄養素が必須である。いまやデイヴィス医師のように、薬ではなく野菜と果物を処方する人も現れた。多くの職場で使用されているTHQストレス診断は、この点をしっかり押さえている。一つの質問項目も変えずに守り続けてきてよかったという思いを新たにしている。
THQを必ず使えとは言わないけれども、人事担当者には、社員の健康向上のために「生活習慣」を視野に収めたストレスチェックを採用していただきたいと願うばかりだ。(佐藤隆)