本当に悲しくなるくらい日本の会社は病んでいる。三菱自動車、スズキ、東芝という日本を代表するような大手企業がデータや会計の不正を長年にわたってやっていた。どれもこれもみんな会社ぐるみだと言っていい。
誰もがおかしいと感じながら
会社ぐるみというのは、トップが不正を具体的に指示したかどうかは分からないが、現場で日常的に不正が行われていたということだ。誰もがおかしいと感じながらも、発覚しないまま、ずるずると不正が続いていく。
いったいどうしてだろうか。私は、トップが目先の競争にとらわれるあまり、現場の疲弊を知らなさすぎるからではないかと思う。言い換えれば、知ろうとしていないのだ。
昔の日本陸軍みたいに精神論で勝てると思って、突撃命令を乱発し、やたら貴重な命を浪費しているのだ。
トップが「突撃!」って叫ぶ。今は「チャレンジ!」かな。疲れ果てた現場の社員たちは、「仕方がないなぁ」と言いながら数字だけ合わせるんだ。これを「員数合わせ」って言う。
グローバル競争の時代は精神論だけでは勝てないのを、トップは早く知るべきだ。自覚なさすぎ!
例えば三菱自動車を例に取れば、少ない開発費で他社を凌駕するような燃費データが達成されること自体を疑わねばならない。疑ってやることが部下への愛情だ。
「もっと、もっと」「チャレンジ、チャレンジ」「負けて悔しくないのか」など、叱咤激励するだけで具体的な予算も人員も付与しない。そりゃ現場は、うんざりするだろう。それでトップが喜ぶような「員数合わせ」という手法で、数字だけを調整するようになる。