ブラック企業が問題視されて以来、日本企業の悪しき習慣であるサービス残業に対する風当たりも強くなっている。ここに来て、ようやく「ダラダラ残っているよりもさっさと仕事を終わらせて早く帰る人のほうがデキる」というイメージも定着しつつあるのではなかろうか。
そんな中、流れに異を唱え、「定時にさっさと帰る新入社員はいかがなものか」と物申す記事が公開され、ネット上を騒がせている。
トンデモ社員のままでいいのか
当の記事は、ダイヤモンド・オンラインに掲載された、キャリアコンサルタントの櫻井樹吏氏による「なぜイマドキ新入社員は定時で即帰ってしまうのか」というものだ(2016年8月10日)。
「新入社員が定時になると即帰る、アイツはだめだ」
という現場のマネジャーらの声を紹介し、「決められた時間の中で、業務をこなす」のはアルバイト感覚、学生感覚が抜けきっていないためと分析。定時で帰るのは組織に対する所属意識が低いのが原因と見立てる。そのうえで、
「新入社員は経験のある社員に比べると、仕事のスキルが乏しいのは仕方ありません。状況によってはスキルを時間で補うことも必要」
と、会社には定時に帰れない場合があるのだと諭すようにいう。
さらに、新入社員は会社がアウェイなのに対し、上司世代は会社がホームになっているという対立構図を示し、
「いつまでも会社がアウェイという考え方は、実は正社員から最も遠のく考え方なのです」
と、「君も早く会社をホームに」と訴える。さもないと、いつまでたっても定時に即帰る「トンデモ社員」のままだぞ、と。