「夢」破れて差別あり
こういう無茶ぶりをしてくる学生、上は早慶から下は大東亜拓桜帝国クラスまでまんべんなくいます。でも、大学のランクが低いなら低いで、新聞を読む以外にもやらなければならないことはいくらでもあるはず。彼らに話を聞いていくと、ほぼ間違いなく、「夢」が出てきます。悪い魔法だなあ、「夢」。そうした「夢」が破れて、大学名差別があるからだ、となるわけです。
「隠れ要因その3:適性検査・行動量格差」
適性検査は、ちょっと問題を見て、情報をかき集めてみれば、「非言語分野、それも、集合とか推論とかにややこしい問題が出るから、そこを勉強しておこう」という結論にたどり着くはずです。傾向と対策は明白。
なのにランクが下にいくほど、適性検査の非言語分野の得点は下がっていきます。大学側もそこに気づいていて、早めに対策講座を開くのですが、学生は甘く見てろくに勉強しようとしません。
適性検査対策だけではありません。「行動量」も同様の傾向があるのです。
大学ランクが下がっても、行動量の多い学生は一定数存在します。そもそも、大学名差別の前提条件である「難関大学の学生ほど結果論として就活へのモチベーションが高い」っていっても、インターン参加、社会人慣れ、新聞・書籍・就職四季報の購読などの行動が彼らの専売特許か、といえばそんなことはありません。どの大学のどの学生でもやろうと思えばできることばかり。
ところが、中堅ないしそれ以下の大学の学生となると、大半があれこれ理屈をつけて行動量を増やそうとしません。現実には、行動量格差が大学名差別につながっています。
というわけで、私としては、
「隠れ要因その4:落ちた学生の言い訳」
として、
「要するに、大学名差別云々という学生、自分の努力不足を認めたくないんでしょ? だから、言い訳として大学名差別を使っているだけじゃないの? 3年生で大学名差別をあれこれ言うわりに何も行動しないのは、自分が傷つきたくない、失敗したくない、その言い訳でしょ?」
と思うわけです。
ときどきそういう話をしますが、結構な確率で学生に嫌われます。嫌われるとわかっていて、つい話してしまう今日この頃です。(石渡嶺司)