経済格差が広がらないように、「貧困」が世代を越えて固定化しないように奨学金の無償化を進めるべきだという議論が高まっている。2016年7月の参議院議員選挙でも、返済を必要としない給付型奨学金の導入を訴える候補者の声が多く聞かれた。
ただし、これは改革を求める機運であって、現実には「有償の」奨学金の返済に苦しんでいる人が少なくない。日本学生支援機構の調査(2014年度)によれば、2014年度末時点で、返済しなければならない奨学金を抱えている362万4706人の中に、1日以上の延滞者が32万8386人、3か月以上の延滞者が17万3190人いる。
長年にわたり借りた結果が
Q&Aサイト「発言小町」に「学費と生活費のため長年にわたって奨学金を借りたところ、返済額が1000万円近くになってしまった」という女性が現れた(2016年7月6日)。家庭の事情があり、親に学費を出してもらうことや返済を手伝ってもらうことは不可能だという。
幸いにも正社員で就職でき、その会社では40歳の平均年収が700万円程度。「いずれ結婚したいと思う彼」がいて、子どもができたら「奨学金を借りずに大学まで出してやりたい」と夢を描く。
「1番長いプランで返済しようと思っていますが、やはり返せる時に一気に返すべきでしょうか? なかなか1000万円の奨学金を返済された方のお話を聞くことができないので、ぜひ助言頂きたいと思います」
と意見を求めた。