今回のテーマは「定番ネタ」。
エントリーシートに「何をネタに書くか」、面接でどんな話をするか、となると、志望動機はともかく、自己PRやガクチカ(学生時代に力を入れたこと)では、学生生活をネタに使うことになります。学生生活と言えばアルバイト、サークル、ゼミが定番。
どちらが真実なのか
定番ネタについては、真っ向から対立する論争があります。
「アルバイト、サークル、ゼミなど定番ネタはうんざりするから、やめたほうがいい」
「定番ネタを使っても全く問題ない」
しかも、それぞれの意見については、採用担当者、就職課職員、カウンセラーなどがどちらかに偏ることはありません。それがまた学生を惑わせることになります。が、背景を考えれば、実はそう大きく矛盾した話でもないのです。
まずは、なぜ採用担当者がうんざりするか、そこから説明します。
インターンシップにしろ、本採用にしろ、圧倒的多数の学生が定番ネタを使います。当然ながら、飲食・販売などのアルバイト、サークルの部長・副部長、ゼミリーダーなど、相当かぶります。どれくらい、かぶるか。そうですねえ、総合職採用20人か、それ以上の規模の企業なら、飲食・コンビニのチェーンは一通り、揃うでしょう。面接でも、
「今日はマクドナルドが3人続いた」
「うちはスターバックスが4人連続」
という話が珍しくありません。
定番ネタに採用担当者がうんざりする理由はもう一つあります。就活マニュアル本の読みすぎか、あるいは大学キャリアセンターの悪影響なのか、話がワンパターンに陥ります。
「私は××でアルバイトを△年間していました。そこでお客様と触れ合うことで、営業の大切さを知りました。この思いを御社でも生かしたいと思います」
「私は□□のアルバイト経験から、コミュニケーションの大切さを知りました。この思いを~(以下省略)」
この内容を自己PRとするならまだしも、ガクチカでも同じ内容。アルバイト先とアピールしたい能力・経験の固有名詞が変われば文章の構造は全く同じ。具体的な内容のようで、全くもって抽象的。どんな学生か、選考しようにも、選びようがありません。しかも、そうした学生が100人、企業によっては1000人単位で応募してきます。だからこそ、定番ネタを採用担当者は嫌うのです。