貧富の差が社会問題とされるようになって久しい。今の世の中には、いろいろな事情を抱え、ぎりぎりかつかつの生活を送らざるを得ない人が実際にいるようだ。Q&Aサイト「発言小町」には、「契約社員で手取りは11万円。しかし住居費が6万7000円かかり、今後の生活が不安」という女性からの投稿があった(2016年7月22日)。
手元に残るのは1万3000円
女性は42歳のシングル。給料延滞などのトラブルから前職を辞め、別の会社に就職が決まったばかりだという。転職先は製造業、契約社員のため手取り額は月約11万円。
しかし、5年前に家庭の事情から駅近・3LDKの分譲マンションを購入し、ローンや管理費・修繕積立金などに毎月6万7000円かかる。さらに光熱費・通信費・保険代などに2万円。食費・日用品は1万円以内で補う覚悟だが、手元に残るのは1万3000円ぐらいという計算だ。
マンションは1100万円の35年ローンで、残額は950万円。現在の貯金は50万円だという。女性は、
「漠然とした不安のなか、将来が見えない状態です。少ない収入でやり繰りされている方や、色んな方面からの前向きなアドバイスをいただきたいです。こういった条件でも資格取得や、勉強して良い条件の職を見つけたよ、という例など」
と窮地を切り抜けるためのアイディアを募った。
スーパーの見切り品でしのぐ
このSOSを読んだ人からは、
「マンションを手放すことを考えては。住宅ローンの返済で押しつぶされます。売るなら早い方が良いです。オリンピック後にマンションは値崩れする」
「契約社員ならダブルワークは? もしくはマンションを賃貸に出し、自分はもっと安い部屋を借りたら」
「緊急策として空部屋2つにルームメイトを入れては」
「私なら夜勤で働く。労働時間は同じでも時給が1.25倍ぐらいになる。資格を取ってスキルアップは、もう少しお金を貯めてからの話。まずは持ち金を増やすことが先決」
といった、具体的かつ親身の回答が相次いで寄せられた。なかには、
「私は手取り12万5000円の頃、家賃3万5000円でした。夜と休日にバイトして、食費(酒代込み)は月1万円でやってました。基本は卵とキャベツ、余裕があればほかの野菜や細切れ肉を追加。昼食は6枚切りの食パンを1日1枚食べる感じ」
「20代後半の頃、手取り10万円家賃5万円という生活を2年ほど送っていた。若かったので保険はかけず、交際費もゼロ。古本屋で買った参考書で2つ資格を取り、30歳のときに有利な条件で転職。今はまあまあの暮らしを送っています」
などという、かつて同様の境遇に暮らした人からの、経験者ならではの書き込みもあった。
投稿者としては、マンションを賃貸に出すことは「借り手とのトラブルが心配」、売却は「そのことで悩みすぎて体調を崩したので、仕事が落ち着いたら改めて考え直す」つもりでいる。まずは「週末に働けば足りない分を補えるかも」しれず、スーパーなどの見切り品で食費を抑えたいという。
綱渡りの生活を送らざるを得ない投稿主に対し、
「現状維持なら72歳までローンが続きますよね? ダブルワーク&節約も短期間ならモチベーションが維持できるが、だんだん体力も衰えてくるし、老後の貯蓄も無理ですよね」
「転職したてなら仕事が安定するまで無理しないで。ダブルワークは体の負担が大きそうだし、自分で自分の首を絞めかねない」
と、くれぐれも無理はよくないと諭す忠告も届けられた。
確かに食費の節約やダブルワークに励むあまり、倒れてしまっては元も子もない。心身に過度の負担がかからないよう注意しながら、どうにか苦境を抜け出してほしいと祈るばかりだ。(KM)