クーラー禁止で職場暑すぎ! 健康を害したら会社の責任?

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弁護士回答=会社には労働者の健康を守る義務が

   2011年の東日本大震災をきっかけとして、政府は、企業に対し、電力消費が多い夏や冬に、節電に協力するよう要請してきました。

   節電要請に応じなかったとしても、罰則などは設けられていません。罰則を科すには法律の定めが必要ですが、節電要請に応じなかった場合に罰則を科すという内容の法律は存在しません。

   夏や冬に一定の節電を強制されることは、企業にとって負担がとても重く、経済界からの強い反発も予想されることから、節電要請に応じなかった場合に罰則を科す内容の法律は作られなかったものと考えられます。

   よって、節電要請は、あくまで、政府から企業に対する「お願い」に留まるものです。

   では、暑すぎる職場環境は法に触れるのでしょうか。近年の暑い夏を考えると、暑さで労働者が体調を崩すということも十分に考えられます。

   労働契約法という法律の第5条で、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」とされており、使用者は、労働者が健康を崩さないように必要なことをなすべき義務を負っています。

   体調を崩すほどでもない暑さの職場環境であればともかく、もし、あまりにも暑すぎる職場環境で労働者を働かせ、労働者が体調を崩すようなことがあれば、労働者は、使用者に対し損害賠償を請求できる可能性もあります

岩沙好幸(いわさ・よしゆき)
弁護士(東京弁護士会所属)。慶應義塾大学経済学部卒業後、首都大学東京法科大学院から都内法律事務所を経て、アディーレ法律事務所へ入所。司法修習第63期。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物が好きで、最近フクロウを飼っている。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」を更新中。編著に、労働トラブルを解説した『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)。
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弁護士法人アディーレ法律事務所 篠田恵里香


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