いっそ4週間休暇とったらどうだ いいことばかりじゃないか(江上剛)

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   残業を無くすのは簡単だ。会社ごと休んじゃえばいいのだ。えっ! そんなことできない?

   村上春樹さんの『ラオスにいったい何があるというんですか?』という紀行文集にフィンランドの場面がある。

いつも不幸な顔をしている

フィンランド人のように4週間休めばいい
フィンランド人のように4週間休めばいい

   人口500万のこの国も日本と同じように不景気らしい。「(不景気で)本があまり売れないもので」と出版社社員が愚痴をこぼす。

   ところが彼らは7月に4週間ほどの休暇をとる。村上さんは「いいですね。景気が悪くなると、ただ不景気な顔をしているしかない国の人とはちょっと違う」と書く。

   4週間の休暇! 日本人からは信じられない。不景気になると、もっと働けと自らに鞭を入れ、他人にも労働を強いるのが日本人だ。

   こんなに国が豊かになって、テロが頻発したり難民が発生する国に比べたらどれだけ幸せか分からないのに、いつも不幸な顔をしているのが日本人。フィンランド人から見ると、精神的に病んでいるとしか思えないんじゃないか。

   もし日本の会社員が7月に4週間の休暇を取得したらどうなるか?

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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