米アップルがiPhoneやiPadなどで使用されているピストルの絵文字(emoji)を削除することが明らかになった。2016年秋の最新ソフトで、ピストルが水鉄砲の絵文字に置き換えられる予定。水鉄砲の絵文字は鮮やかな緑色で、一目で玩具と分かる。近年、アメリカで未成年者がピストルの絵文字を用いて脅迫文をSNSに投稿し、罪に問われるなどしたため、市民団体がその削除を求めていた。
人々の多様性を反映し
米アップルは2016年8月1日(現地時間)、今秋にリリースされる基本ソフトiOSの最新バージョン「iOS 10」に、新たに100以上の絵文字が加わるとアナウンスした。女性アスリートや母子家庭、LGBT(性的マイノリティ)のシンボルとされる虹の旗などが含まれるという。
一方、発表では、ピストルの絵文字には言及がない。水鉄砲への置き換えについては、同社の広報担当者もコメントを控えているため、公式発表ではない。ただ、同日に公開された開発者向けの最新ベータ版ではピストルの絵文字がなくなっており、多くの海外メディアは置き換えを事実として報じている。
同社は、「人気の絵文字には、世界中の人々の多様性を反映していく」としており、ジェンダーの平等に焦点を当てつつ、銃規制を訴える人々にも配慮した形だ。
変更の背景には、相次ぐ銃犯罪への配慮があるものとみられる。2015年には米バージニア州の12歳の女子生徒がピストルの絵文字を使用して「殺す」などとインスタグラムに投稿。学校を脅迫したとして罪に問われた。ニューヨーク市ブルックリンでは、Facebookに警官の絵文字の頭部にピストルの絵文字を突き付けた投稿をした10代の青年が逮捕された。
そうしたことから、銃の規制強化を訴えるニューヨークの市民団体はピストルの絵文字をなくすよう同社に訴えていた。