アメリカで大流行し、日本でも大ヒット中の「ポケモンGO」。ゲームアプリが「人をリアルに動かす」という革新性をもつ半面、「人がリアルに動くことによるトラブル」が発生しています。
そんなポケモンGOですが、これから就活を控えている大学生や、若手のビジネスパーソンは絶対に触ったほうがいいと思います。なぜなら、この「トラブル」と「革新性」こそがビジネスのキモだからです。
起こりうるトラブルを想定
ちょっと考えてみてください。バイトがやるべき仕事は、社員から言われたことを忠実にこなすことです。しかし、バイトやスタッフに指示を出したり、自ら企画を作り行動する社員の立場になると、やることが大きく変わります。そして、その仕事は「トラブル対応」と「新企画の立案・実行」に大きく分けられます。
やっかいなお客さんが来店したり、想定外の問題が起こったりしたとき、バイトは社員や店長を呼ぶことになります。マニュアルに書かれていないことをするのは基本的にNGであるため、マニュアル外の事が起こったら社員に報告するのがルールだからです。
では、報告を受けた社員は何をするでしょうか。その場で自分で考え対応する、です。会社で働いていると、そうした想定外の事象に年がら年中遭遇します。そして、それらのトラブルに、いかに的確に対応できるかが、その社員の評価につながります。
ポケモンGOは、今までのゲームとは一線を画す、新しいゲームです。そのため、今まで起こりえなかった問題が数多く起きるはずです。ポケモンGOの先駆けとなったスマホ対応のオンラインゲーム「イングレス」とはユーザー数が桁違いであり、起こりうるトラブルの質・量とも桁違いになります。
そこで、みなさんには実際にポケモンGOを使ってみて、どんなトラブルが起こるか想像し、それに対する対応策を考えてみてほしいのです。
自分の仕事でどのように使うか
例えば、出入りしているところをあまり人に見られたくないエロフィギュア専門店の前で、ひたすらお香を焚き続けて(ポケモンを呼び寄せることができます)、ポケモンGOユーザーを集めるという嫌がらせをする人なんかが出てくる可能性があります。あなたがその店のスタッフだったら、どうしますか?
そうやって、テレビなどで報じられるポケモンGOに関連するトラブルなどに対して、自分ならどのような解決策を考えるか、と考えたり、現実的にどんな解決策が行われているか、知ろうとしたり、あるいは自分で考えた起きうる問題点に対してどう対応するか、と考えつづけることは、みなさんにとっていい思考訓練になると思うのです。
さらに、仕事でどう使うかを考えること。
ポケモンGOは、今までのインターネットがなしえなかった「人を動かす」ということができてしまう革新的なゲームです。今のところ実現されていませんが、例えば「金を支払うと指定した場所に、レアポケモンを発生することができる」機能や、「特定の場所の○km以内にいる人(行ったことがある人)にその情報を告知する」機能がつき、お店や祭り、イベントなどの集客に利用されることが予想されます。
そんな機能が実現したときに、自分が仕事をしたい業界でどのように使えるか、使うべきかなどを考えてプランを立ててみることも、非常にいい訓練です。
今後、単純な繰り返し作業はロボット、AIに置き換えられていきます。人海戦術が必要な仕事も、どんどん省力化されていくはずです。そんななか、人間がやるべきことは、それらのロボットやAIをどう使うか、どんな機能を持たせるかを考えることです。ポケモンGOは、そうしたことを「考える」題材として最適です。
ポケモンGO以外にも、就活前に経験しておいたほうがいいことはたくさんあります。その多くは、就活が始まってからでは遅い! 大学1、2年生のうちにやるべきことを伝授する無料セミナーを2016年8月20日、東京・恵比寿で開催しますので、ぜひご参加ください。(森山たつを)