平均所得712万円に実感わかず 「生活が苦しい」子育て世帯63%

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   厚生労働省は7月12日、「平成27年国民生活基礎調査の概況」を発表した。調査結果によると、平成27年6月4日時点での全国の世帯総数は5036万1000世帯。そのうち「夫婦と未婚の子のみの世帯」が1482万世帯(全世帯の29.4%)と最も多く、次いで「単独世帯」が1351万7000世帯(同26.8%)、「夫婦のみの世帯」が1187 万2000世帯(同 23.6%)となっている。

   世帯類型では、「高齢者世帯」が 1271 万4000世帯(同25.2%)、「母子世帯」が79万3000世帯(同1.6%)だった。

平均所得以下60%超

格差が大きい現状
格差が大きい現状

   この数字を受けてツイッター上では、

「高齢者世帯が25.2%って、すごい数字だ」
「余裕があったらご近所の高齢者単独世帯に気をつけてあげて」
「単独世帯になりたくない」
「パートでも、単独世帯でも、きちんと生活できる給料にしてください」

といった感想や意見が飛び交っている。

   あわせて各世帯の所得状況も発表されたが、平成 26 年の1世帯当たりの所得金額は全世帯平均で541万9000円。ただし、中央値(全世帯を所得金額順に並べたとき、ちょうど真ん中に当たる世帯の額)は427万円で、平均所得金額以下の割合は61.2%となっている。高齢者世帯は297万3000円、児童のいる世帯は712万9000円。

   平均所得以下の世帯が6割を上回る現状で、調査に「生活が苦しい」と答えた世帯も多く、全世帯の60.3%、高齢者世帯の58.0%、児童のいる世帯の63.5%にのぼった。

   ツイッター上でも、

「平均なんか意味ない」
「平均所得が上がっても、6割が『生活が苦しい』と感じているなら格差が広がっているということ」

など、統計の数字以上に実感が苦しいことを訴えるコメントが見られた。

底辺の子どもの格差大きい国

   ユニセフ調査でも日本の子育て世帯の所得格差が広がっていることが裏づけられている(「子どもたちのための公平性 先進諸国における子どもたちの幸福度の格差に関する順位表」=2016年4月13日発表)。その冒頭に付された解説「日本の子どもの格差の状況」によると、「所得階層の下位 10%目の子どもの世帯所得は、 中位の子どもの世帯所得の 4 割に満たない」状況にあり、「この差の大きさは、先進諸国 41 カ国の中では下から(大きい方から数えて)8 番目であり、日本は底辺の子どもの格差が大きい国の一つとなっています」という。

   日本では女性の54.1%が出産を機に仕事を辞めるという現実もある(厚労省「21世紀出生児縦断調査〈平成22年出生児〉」)。男性の育休取得率の低さ、待機児童問題、保育園の建設反対問題などを含め、日本の子育て世帯を取り巻く環境は厳しいようだ。(KM)

姉妹サイト