ツイッターにインスタグラム、フェイスブックなど、SNSが日常生活に欠かせないツールと化している人が少なくない。知人の投稿に「いいね」やコメントを残すことが日課になっているという人もたくさんいるだろう。
その日課を病気で会社を休んでいる間にやったことで、ちょっと面倒なことになってしまったケースがあるようだ。
会社の人の目にふれる
Q&Aサイト「Yahoo!知恵袋」に、「自宅療養中のSNSについておしえてください!」というヘルプが投稿された(2016年7月17日)。
体調不良で会社に診断書を提出し、2週間ほど自宅療養をしていたという投稿者。薬のない病気で、医師からは「家では、よく食べてゆっくりしてください」と言われていたため、病院以外はほぼ自宅で過ごしていた。
その間インスタグラムをチェックし、たまにコメントを書いたり「いいね」を付けたりしていた。それを上司に見とがめられ、「会社の人の目にふれるSNSの書き込みにまわったりするのは診断書をだしているあいだは控えてほしい」と言われたという。
頻繁にコメントをしていたわけでもないのに、と腑に落ちない様子で、
「自宅療養中にSNSをみたり、ときたまコメントをするのはいけないのでしょうか?誰がどんな目でみているかわからないというのは、どういう意味でしょうか?」
と問うている。
ブログ更新で解雇された?
コメント欄には、
「診断書出してるなら別にいいと思いますけどね」
「しょっちゅうコメントとかしてるわけじゃないならいい気もしちゃいますけどね...」
「時代の差ですね」
と、投稿者に非はないとする意見が多い。
とはいえ、世間に目を転じると、見方はなかなか厳しいようだ。
たとえば、少し古い話だが、現在は読書を中心にブログを展開する山野光正氏が「解雇されたので起業します」というブログをつづっている(2009年6月16日)。
山野氏が風邪で会社を2日間休み、3日目の朝上司に「午後から出社する」とメールで連絡すると、「もう来なくて良い。今日付けで処理する」と突然通告され、最終的に普通解雇されたという。
山野氏と上司がメールでやり取りした日、上司は「欠勤しているのにブログを書くような奴は仕事中も手を抜くに決まっているので、会社にとって"悪"だ。組織に伝染する前に"ひねり潰す"」というようなブログを書いていて、どうやら「欠勤中に布団の中からブログ書いたり」していたことが怒りに触れたと見られる。山野氏は、
「この心理は典型的な日本人性とでも言うような思考過程のように思った。ケガレを共同体から取り除く、ということなのか」
と書いている。
ツイッターを見ても、
「体調不良とかで会社休んでおいてSNSでよく『いいね!』とかできるなぁと。いや、別に病人でも閲覧くらいは出来るだろうけど、そういう問題ではなくて」
「体調不良で休んでる40代の人が、大好きなアイドルのSNSにコメントしていて実名ネット社会怖いと思った。ついでに、会社に休むという電話の5分後くらいに顔文字使ったコメントしていて素敵」
という書き込みがあり、「休み中にネット上に足跡を残す」ことは予想以上にリスキー、少なからぬ人にネガティブな反応を呼び起こすようだ。(MM)