三大都市圏の派遣時給1554円 上昇傾向でも労働者に明るさなく

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   人材サービスの「エン・ジャパン」はこのほど、2016年6月度派遣平均時給を発表した(7月11日公開)。同社のサイト「エン派遣」に掲載された求人情報をエリア別に集計したところ、関東・東海・関西の三大都市圏の平均時給は前月比7円増、前年同月比8円増の1554円。31カ月連続で前年同月比プラスを更新した。関東エリアが1614円、東海エリア1341円、関西エリア1365円だった。

バイト・パート時給は988円

働きに見合う時給をもらっているか
働きに見合う時給をもらっているか

   職種別に見ると、平均時給が最も高いのは「IT系」で2081円(前月比11円増)。4カ月連続で過去最高を更新した。「技術系」が1728円(同3円増)、「クリエイティブ系」が過去最高の1690円(同4円増)、「オフィスワーク系」が1508円(同5円増)、「営業・販売・サービス系」職種が1405円(同4円増)だった。

   「医療・介護系」は1274円で、前月比(1円減)、前年同月比(114円減)ともマイナスだった。

   また、「リクルートジョブズ」の調査では(7月20日公開)、アルバイト・パートの三大都市圏における2016年6月度平均時給は 988円 (前月比4円増、前年同月比21円増)で、調査を開始した2006年1月以来、過去最高額を更新した。首都圏に限れば平均時給は 1028円(前月比5円増、前年同月比25円増)だった。

   いずれの調査結果も時給が上昇傾向で景気のいい話のように見えるが、ツイッターなどでは、むしろ戸惑いや怨嗟の書き込みが目につく。

「三大都市圏の時給しか確認してないのに、この書き方」
「実際に地方は人件費の安さで中国やタイと勝負できるレベル」
「派遣で今のところに勤めて2年。1年半くらいでいろいろあって交渉して時給を50円UPしてもらったが、入って半年くらいの後輩が『せめて50円でいいから時給あげてほしい』とかぬかしやがる」
「私の仕事っぷりで時給950円って安いのかな、適正なのかな...」
「派遣と私の時給の差が大き過ぎてやる気なくす!200円も違うのに私の方がめっちゃハードに働かされるのは納得がいかない!」 「工場派遣を7年半やってますが時給据え置きです。10円でもあげてほしいです」

などと、おのれの時給の低さを嘆く声があちこちに上がっている。

「正社員は絶対やめるな!」

   薄給ゆえ「都会で正社員になりたいな」、「バイトやめたい。今すぐやめたい。ちゃんと働きたい。正社員になりたい」と正社員に憧れる人がいる一方、「過去に数回転職してるから『仕事なんて何とでもなるでしょ』と気楽に考えてるんだけど、派遣の友達から『30代になると一気に仕事なくなるから正社員は絶対やめるな!』と強く言われてウーンと悩んでる」と思案に暮れる人もいるようだ。

   多くの人にとって、仕事は人生の大きな部分を占めるものではあるが、仕事についての考え方は、それぞれ多様になってきているようだ。

「正規雇用の仕事がなくても"結婚しない、家買わない、車持たない"という選択をすればいいだけなので、正社員になりたいという願望は贅沢」
「派遣会社を通してとはいえ、親族がショッピングモールで仕事決まったらしい。時給1050円...すごいな?、60歳だよ。仕事って本気で探せばいくらでもあるんだ、と改めて実感」

そんな意見も聞かれた。(KM)

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