インターンシップ中に現場でひやり けがしたら治療費もらえる?

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弁護士回答=労災申請では「労働者」かどうかがポイント

   相談者が、会社に治療費を請求する場合、まず民法上の不法行為として損害賠償請求を行うことが考えられます。ただし、民法上の請求の場合は、けがの原因に会社側の過失があったことを相談者側が立証しなければなりません(段ボールの置き方が悪かった、など)。証明は、会社側の職場環境とその安全にかける会社の配慮のレベルなども理解する必要があるため、そのハードルは結構高いです。

   一方、民法上の請求とは別に、労働者災害補償保険(労災)を申請するという方法もあります。労災が適用される場合、民事上の立証も不要であり、また支払いも確実です。そのため、労災が適用されるかが今回の質問のポイントになります。労災の適用を受けるには、相談者が研修の態様から判断して労働基準法上の労働者とみなされる必要があります。

   研修中の事故に対して、行政の解釈は、研修生が労基法9条の「労働者」に当たるかどうかという観点から、いくつかの判断を示しており、労働者として認められた造船会社で実習中の商船学校の生徒の例や、逆に、否定された工学部学生の工場実習の例などがあります。

岩沙好幸(いわさ・よしゆき)
弁護士(東京弁護士会所属)。慶應義塾大学経済学部卒業後、首都大学東京法科大学院から都内法律事務所を経て、アディーレ法律事務所へ入所。司法修習第63期。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物が好きで、最近フクロウを飼っている。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」を更新中。編著に、労働トラブルを解説した『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)。
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