ロサダの法則とは何か
元は私の思いつきとは言え、アイデアが形になった根源はM乗務の会議運営にあった、と今でも思っています。ポジティブな会議運営が思わぬアイデアを生み出すという事実を、身をもって体験した出来事でした。
会議におけるポジティブ発言とネガティブ発言の比率に関しては、実はひとつの理論が存在します。ロサダの法則と言われるものがそれです。
アメリカの心理学者マーシャル・ロサダは、60のマネジメントチームを対象にその戦略立案などの様子を観察し、コミュニケーションの中で使用された言葉のポジティブ・ネガティブの比率を分析。結論として、ポジティブな感情とネガティブな感情がおよそ3:1の比率で維持されることがパフォーマンスを最大化させるという理論を導き出したのです。
なるほど、M乗務のコミュニケーションも、おそらくは無意識なのでしょうが、「優しさ:厳しさ=3:1」ではなかったか、と思い出されるところです。
さて冒頭のH社長、私の話を聞いて「言われれば確かに、私にネガティブ発言が多いことは否定できません。でも指導を減らすわけには......」と。私は、「まずは3:1を意識して、徹底してポジティブ発言を増やしてみては」とだけ申し上げました。
人一倍の経営手腕をお持ちの社長ですから、何か現状打開のヒントを掴んでくれるのではないかと思います。(大関暁夫)