知っておきたい発言の黄金比 アイデア出る会議仕切るには

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ロサダの法則とは何か

   元は私の思いつきとは言え、アイデアが形になった根源はM乗務の会議運営にあった、と今でも思っています。ポジティブな会議運営が思わぬアイデアを生み出すという事実を、身をもって体験した出来事でした。

   会議におけるポジティブ発言とネガティブ発言の比率に関しては、実はひとつの理論が存在します。ロサダの法則と言われるものがそれです。

   アメリカの心理学者マーシャル・ロサダは、60のマネジメントチームを対象にその戦略立案などの様子を観察し、コミュニケーションの中で使用された言葉のポジティブ・ネガティブの比率を分析。結論として、ポジティブな感情とネガティブな感情がおよそ3:1の比率で維持されることがパフォーマンスを最大化させるという理論を導き出したのです。

   なるほど、M乗務のコミュニケーションも、おそらくは無意識なのでしょうが、「優しさ:厳しさ=3:1」ではなかったか、と思い出されるところです。

   さて冒頭のH社長、私の話を聞いて「言われれば確かに、私にネガティブ発言が多いことは否定できません。でも指導を減らすわけには......」と。私は、「まずは3:1を意識して、徹底してポジティブ発言を増やしてみては」とだけ申し上げました。

   人一倍の経営手腕をお持ちの社長ですから、何か現状打開のヒントを掴んでくれるのではないかと思います。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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