知っておきたい発言の黄金比 アイデア出る会議仕切るには

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   数年前、雑誌やテレビで取り上げられたのを機に、その品揃えやディズプレイが話題となり、破竹の勢いで店舗拡大をしたインテリア雑貨店経営のT社。久しぶりに会合でお目にかかったH社長は、当時とは一転、手詰まりで売上が頭打ちだとお悩みの様子でした。

   「とにかくアイデアが出ない。もっともっと革新的な商品やサービス、店舗づくりを提供したいのだが、私一人のアイデアではもはや限界です。誰かいい人いませんか」という社長の話しぶりには、決して冗談ではないムードが漂っていました。

創造性をどうやって高めるか

どうすればアイデアがひらめくのか
どうすればアイデアがひらめくのか

   組織として新しいものをつくり出す能力、すなわちクリエイティビティ(創造性)はどのようにしたら高めることができるのかというテーマは、企業経営者の悩ましい問題として相談を受けることがよくあります。私は、お手伝いしている企業からそんな相談をお受けした場合には、ひとまずその企業の会議をのぞかせていただくことにしています。

   それというのは以前、ある経営者の話に、ひとつのヒントをいただいたからなのです。

   飲食店を皮切りに複数の新規事業を立ち上げ、一代で自社グループを売上1000億円の規模に育てた彼の会議運営のポイントは、「会議でたくさんのアイデアを出したいのなら笑いのない会議などやるな、を社員に徹底している」というものでした。

「新しいことに次々と挑戦する弊社のような事業では、会議はポジティブな雰囲気でなくてはダメです。時にネガティブな感情や言動が効果的な場合もあります。しかし議論をよくよく聞いてみると、どの会議でも必要のないネガティブな発言がかなりあるものです。不要なネガティブ発言を減らしてポジティブな発言を増やす努力をすれば、不思議とたくさんのアイデアが出ます。これは経験が教えてくれた事業を成功させる秘訣です。今も当社が心がけている会議とは、終わる頃には全員が笑っている会議なのです」
大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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