空き時間に重宝「就活カフェ」 様々な意見に触れて損はない

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   今回のテーマは「就活カフェ」です。就活カフェとは、就活生が無料ないし低料金で、時間を気にせず過ごせるカフェのことです。

就活生は一人になりがち

お茶を飲んでほっとするだけでなく
お茶を飲んでほっとするだけでなく

   就活生は、意識せずにいると一人になりがちです。自分の部屋で、あるいは、志望企業の近くのスターバックスで。他の就活生はライバルですし、大学の友人も、志望業界や企業が異なれば話す機会が少なくなります。

   大学のキャリアセンターに話を聞いてもらえればいいのですが、オフィス街で開かれる説明会や面接が増えるにつれ、大学に戻る機会も少なくなってしまいます。そういう事情を見越して、オフィス街にキャリアセンターのサテライトオフィスを設けている大学もあります。

   関西であれば、関関同立のうち関西学院、同志社、立命館の3校がいずれも大阪市内に設置。同市の梅田や本町などまで電車で30分圏内の関西大もやはり、梅田にサテライトオフィスを置いています。さらに今年10月には、阪急梅田駅の近くに「関西大梅田キャンパス(愛称:KANDAI Me RISE(かんだいみらいず)」の開設を予定しています。

   一方、学生の間で認知度が上がり、利用が広がっているのが就活カフェです。

   料金は無料か数百円程度。お茶を飲むだけでなく、電源が使えるうえに、Wi-Fiやコピー機なども揃っています。忙しく面接、セミナーなどに飛び回る就活生が気軽に入り、空き時間をゆっくり過ごせる場所として重宝です。

   カフェによっては、カウンセラーが常駐し、就活相談に乗ってくれるところもありますし、企業の採用担当者によるセミナーや企業説明会・選考会を実施するところもあります。

   こうした就活カフェは、企業側の広告契約などによって運営されています。企業にすれば、学生に自社をアピールすることができるので、広告を出す価値があります。

   首都圏には、「キャリぷら」(神保町)、「地方のミカタ就活カフェ」(新宿)、「就トモCAFE」(新宿)、「賢者屋」(新宿)、「CAMPUSPLUS」(渋谷)、「知るカフェ」(東京大学前、早稲田大学前、慶応義塾大学前)、「PASONA学職カフェ」(東京)、「GARAGE」(早稲田、秋葉原)などがあります。

   関西には、「PASONA学職カフェ」(大阪・本町)、「就活CAFE」(大阪・梅田)、「知るカフェ」(関西大学、同志社大学、京都大学、立命館大学、神戸大学などのそれぞれ近辺)、「キャリぷら」(大阪・本町)などがあります。

参考意見と受け止めて

   とくに地方大学の学生を受け入れる「地方のミカタ就活カフェ」など、特色を打ち出す就活カフェもあります。大半は大都市圏、地方、関係なく、学生の利用を認めています。他学の就活生と交流するいい機会を提供するのは間違いありません。

   たいていの就活カフェでは、社会人ないし学生の担当者が初めて利用する学生をフォローします。ただし、常連の学生ばかり出入りして、「一見(いちげん)」の学生は入りにくい、というところも。現在では数も多いことですし、場所やオープン時間なども含めて選んで行くといいでしょう。

   就活カフェには。学生のほかに運営管理者(兼カウンセラー)、スポンサー企業の採用担当者、就活カフェ利用のOB、OGなどが出入りしています。大半の就活カフェでは、利用者が採用担当者やOB、OGなどとも就活相談ができるようにしています。

   そうした相談を利用する学生は、大きく二つに分かれます。

   一つは、カウンセラーや社会人と話をしても、それを参考意見と受け止めるタイプです。こういう学生は就活もうまくいきやすい。色々な意見を参考として聞いたうえで、最後に自分で決めていくので、判断能力もさらに伸びていきます。

   他方、カウンセラーや社会人と話をすると、そのまま自分の判断を放棄し、依存してしまうタイプもいます。それでは自分の考えがしっかり確立できず、就活で損をしやすくなってしまいます。きつい話を少しでもされるとふてくされてしまう学生も危険です。

   いろいろな立場の人から意見を聞けるのが、就活カフェのいいところです。単に居場所を作る、という目的でもいいのですが、せっかくの機会ですから、尻込みせず、社会人の様々な意見に触れてみましょう。

   これから、3年生はインターンシップ、4年生は夏・秋採用が本格化していきます。その際、多様な意見を知るという意味でも就活カフェの利用をお勧めします(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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