ビジネスパーソンにとって夏の「争点」ともいえるのが、「オフィス冷房問題」だ。職場には暑がりから寒がりまで様々な人がいるほか、冷房機器の設置場所によっては一箇所に冷気が集中してしまうこともあり、「設定温度上げて!」「いやこれでは暑い!」とバトルが繰り広げられる光景も、いまや夏の風物詩。
今夏も早速、ある女性社員から「オフィスが寒すぎるんですけど!」の訴えが届いている。
本当にムカつきます
Q&Aサイト「発言小町」に、「冷房温度を上げさせない人への対処法」というトピックが立てられた(2016年6月30日)。
投稿者の職場には暑がりな男性社員が数人いるといい、「どんなに涼しい日でも、冷房温度を下げ、強風にし、ちょっとでも温度を上げると、すぐにまた下げて来て、本当にムカつきます」と愚痴る。
「寒がる女性陣を無視し、自分の涼しさを優先し、空気が良くなるから下げるんだと、自分の行動を正当化して、涼もうという根性、人間性が心底嫌いです」
と、怒り心頭の様子。上司は男性社員と「結託」し、「相談しても無駄な感じ」と思っているらしい。ほとほと困り果てた投稿者、
「毎日この人の顔を見るのも嫌になってきました。どう対処すべきかご教示下さい」
と、沙汰を求めている。
薄着には限界がある、と
回答者からは、「気持ちはわかる」という声も寄せられたが、意外にも投稿者に対し厳しめの意見が相次ぐ。
「私は女性ですが、『超』が付くほどの暑がりなので、その男性の気持ちがよくわかります。その男性は、外回りの営業職ですか?それなら、社内にいる女性よりも暑がって当然です」
「暑がる男性陣を無視し、自分の都合のいい適正温度を優先し、自分の行動を正当化する根性、人間性が心底嫌いです...と、向こうは言ってるかもしれませんよ?」
「あなたこそ自分の暖かさを優先しようとしてますよね。薄着は限界がありますが、厚着にはありません。自分で調整してください」
などなどと、かえって集中砲火を浴びる始末。
一方で、強すぎる冷房で体を壊したという、深刻な事例も報告されている。
「現実は子供が居なくても、オフィスの異常な涼しさは女性の子宮に非常に悪いです。子供が欲しい人には敵です。私は冷房が当たりやすい席で、冷え性が悪化、子宮筋腫になりました」
自分なりの対策を工夫する
複数の人が集う場で、誰もが快適と感じる気温を保つのは難しいもの。各人が自分の過ごしやすい環境を工夫して作ることが重要だ。
少し古くなるが、ダイキン工業が公表(05年7月)した「夏のオフィスの空気に関する調査結果」では、「自分だけの冷えすぎ対策・暑さ対策」が紹介されている。
「冷えすぎ対策」では、「ひざ掛け」「カーディガン」「上着を着る」「ソックスをはく」などの定番のものが挙げられているほか、「トイレの手用乾燥機で手足を温める」「扇風機で冷気を散らす」という方法も。
「暑さ対策」では、「うちわ」「せんす」「ミニ扇風機」「冷たい飲み物を飲む」のほか、「外に出て涼しい店で休憩する」「かき氷を食べる」といった具合に、オフィスを離脱して緊急避難してしまう人もいる模様(調査は05年6月10日~12日まで、オフィスで働く20~50代のビジネスパーソン800人を対象にウェブで実施)。
女性の「子宮の冷え」対策は、美容サイト「Beauty & Co.」で紹介されている(14年8月7日)。
かかとまわりには子宮や卵巣のツボが集結しているということで、足首を冷やさないよう「レッグウォーマー」を持ち歩くようアドバイス。また、シャワーで済ませずきちんと入浴し、沸騰させて少し冷ました白湯を飲んでしっかり体を温めることを勧めている。(MM)