イタリアンの外食チェーンを展開するサイゼリヤは2016年7月12日、15年9月~16年5月期の連結決算を発表した。それによると純利益は37億円で、前年同期比23%増だった。競合する他社が相次いでメニューの値上げを実施する中、低価格路線を維持したことが好業績につながったと見られる。
円高も追い風となり
同社の発表では、純利益増の理由として、国内外の継続的な新規出店や店舗サービスの品質向上、メニュー改善により収益力の向上に努めてきたことが挙げられている。その他の要因については、J-CAST会社ウォッチが同社担当者を取材したところ、
「販管費や水光熱費の削減に加え、為替の影響も大きいですね。円高で海外の食材を安く仕入れられるようになりましたので」
と答えた。
原材料価格の高騰や人手不足の影響で外食チェーンを取り巻く経営環境が依然厳しい中、同社は企業努力で低価格路線を貫き、好調を維持している。今後について同担当者は、
「路線を変えるつもりはありません。たとえば人気メニューの『ミラノ風ドリア』は消費税が上がった後も税込み価格を維持し、ずっと299円です。今後も高品質なメニューをできる限り安く提供したいと考えています」
と話した。