夢は夢として後半戦に臨もう 敗者復活を支援するシステムも

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他社でなら通用する学生も多い

   Rootsというベンチャー企業が今年2016年から、この敗者復活のシステム化を目指し、「キャリアクラウド」という展開を始めました。

   「学生の95%はどこかしらの会社から不合格通知を受けており、10%は採用されないまま卒業してしまいます。失敗した学生も、他の企業でなら通用する学生が多いに違いなく、その集約を目指して2016年4月からキャリアクラウドを始めました。その一環として、就活の後半戦に焦点をあてた『後期就活ナビ』を6月から展開しています」

   こう話すのは同社代表取締役の中島悠揮さんです。

   どういうシステムなのでしょうか。キャリアクラウドに参加した企業は、不合格とした学生に通知を出す際、併せてキャリアクラウドへの登録の諾否を問い合わせます。学生がOKを出せば、キャリアクラウドに参加する他の企業に、どの段階で不合格となったか、の情報が公開されます。それを見た企業は、学生にスカウトメールを送ることもできます。企業側は月5000円、3万円、5万円のプランのいずれかを選択、とのことです。

   「7月中旬までに60社、同月末までに100社を超える見込みです。価格は採用予算の少ない企業さんにもご利用いただけるように、と考えて設定しました。来年はRootsのメディアに登録している学生1万人と、『キャリぷら』という就活カフェに登録している学生5000人が自動的に参加できるようにします。新規申し込みなどを考えあわせて、来年は2万人ないしそれ以上を擁するメディアに成長させたいですね」(中島さん)

   敗者復活のシステム化は学生、企業双方にとっていい話です。ただ、これ、いずれ大手ナビのどこか(あるいは全部)が真似しそうだな、と思うのは私だけでしょうか。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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