「出世したくない......」こんな本音を耳にする機会が増えてきたように思う。
実際、20~39歳の働く男女の15.8%が「出世はしたくない」、43.4%が「出世にはあまりこだわっていない」と回答したという調査結果もある(クロス・マーケティング実施「若手社員の出世・昇進意識に関する調査」、2015年8月26日公表)。
そんな身の丈志向のなか、「管理職を避けたら、遅かれ早かれ会社を去ることに」と冷ややかな見通しを打ち出す、ちょっとドキッとする内容の記事が公開された。
避けていると40代には
件の記事は、研修講師・キャリアコンサルタントの安藤ゆかり氏によるもの。「管理職を避けて働く人が、40代から払う『ツケ』」というタイトルで時事問題のコラムサイト「JIJICO」に掲載されている(16年6月8日)。
「自分は、与えられた仕事は真面目にコツコツやり通すが、他の人を管理するような立場の仕事はしたくない。前職も、それを求められるようになったから辞めた」
などと言う人が若者から40代の働き盛りまで大変多くなっている、と現状を認識した上で、
「年収が上がれば、あなたにしか出来ない仕事をするか、または誰にも真似できないほど高いレベルの仕事をするか、そうでなければ何かの『管理職』をするのが、組織の中で働き続けるための選択肢」
と主張。どれもできないという人は、「雇い続ける理由はありません。遅かれ早かれこの人は、会社を去るしかなくなるでしょう」とバッサリ斬っている。
要するに「芸」も「才能」もなければ、せめて「管理職」として生き残るしかない、というのが安藤氏の主張であり、
「あまり厳しい職業人生を選びたくないと思う人こそ、中間管理職にチャレンジするべき」
「管理職は確かに責任や気苦労も増えますが、それも自分のやり方次第。やり易いように仕向けることが管理の仕事そのもの」
とアドバイスしている。