真面目にコツコツやってきた。ああ、それなのに、自分を飛び越えて出世したのは、ちゃらんぽらんだけど人気のある同僚――こんな「世渡り上手」、あなたの職場にもいるのでは。
世渡りも才能や努力の1つではあろうが、「いけすかない」「気に食わない」といった感情的な反発を抑えきれない人も少なくないようで......。
ずる賢くて胡散臭い感じが
Q&Aサイト「教えて!goo」に、「すごく要領が良くて世渡り上手な男の子」を同僚に持つという女性の釈然としない思いがつづられている(2016年6月18日)。
その男は「上司にも気を利かせて上手く取り入って、そこそこカッコ良いので女性陣からの人気も高い」と相談者の目には見えている。「これから出世していくタイプなのでしょう」とも。
しかし「正直個人的になぜかその人を見ていてずる賢くて胡散臭い感じがします」と気持ちを吐露する。
相談者は、世渡り上手ではないと自認しているようだが、「彼は同性ではないので嫉妬やひがみではない」という。
「彼は職場でも輝いているタイプなので、彼に反感を持っているのは私ぐらいでしょう。皆さんはこういう世渡り上手な人間をどう思いますか?」
と、意見を求めている。
出世すると迷惑を被る
回答者からは、
「会社組織で生き残るための『戦術』は人それぞれなので、彼には彼のやり方があるのだと思います。それだけです。質問者は、まず自分のすべきことを特定し、それに集中したほうがいいと思いますが、いかがでしょうか」
「ずる賢くても、仕事をしているのなら、問題ないでしょう。目障りかもしれませんが、他人の観察するより自分の目の前の仕事に集中する方が自分のためになります」
と、相談者の屈託をむしろ問題とする意見が寄せられる一方、
「私の入った会社にもいた!要領よく、調子がよい。まるで、商人の手代。一年先輩にあたり、同じ課で、私は毎日うんざり。頭が良いわけでなく、仕事上で有能なわけでもない」
「そう言う人って仕事自体は平均より落ちるのが多く、同じ仕事をすれば周りには迷惑と為るぐらいミスを犯したり遅かったりとするのが実体験からもありますので困りものです。そのクセ要領が良い物ですから上司に気に入られ仕事の実力とは関係無く出世していくタイプ。そう言う人が行う指示って非効率な事も多く、部下になった者にとっては大変。結局部下が非効率な指示をフォローしながら頑張って成果を上げてもその成果を自分の成果として持っていく事も多い」
と、「世渡り上手の同僚に気をつけろ」的な経験談も書き込まれている。
彼らとも信頼関係を築け
実直タイプの人間にしてみれば、お調子者タイプの同僚が周りからのうけのよさだけで高評価を得ているのが面白かろうはずがない。でも、その心根が「ひがみ」と受け取られる心配はないか。
ウェブコンサルティング会社「フリーセル」が監修するサイト「Webコンサルタント.jp」では、世渡り上手な人への見方を改めるためのヒントが紹介されている(12年9月29日)。
「同期はみんな要領が良く、自分は要領が悪い」とくよくよしている人に、世渡り上手の「定義」を挙げてもらうと、
「オイシイところしかやらない(雑務をしない)」
「口数が多すぎる(うるさい)」
「思っていることと違うことを言う(平気で嘘をつく)」
「人によって態度が違う」
「他人を蹴落とす」
「全体的に軽い」
だった。しかし、それらは見方を変えると、
「ポイントを明確に捉えている」
「コミュニケーション能力が高い」
「セルフコントロールができる」
「状況判断能力が高い」
「生存率が高い」
「人見知りをしない」
ともとれる。
世渡り上手と思える人からは、彼らのそうした能力で手を貸してもらい、反対に自分は自分の誰にも負けないと思う能力で彼らを手助けする。そうやって「自然な Give and Take」の信頼関係を作ることが必要だ、とその記事は説いている。(MM)