総務省が2016年7月1日に発表した5月の家計調査によると、1世帯(2人以上の世帯)あたりの消費支出は28万1827円と、物価変動の影響を除いた実質ベースで前年同月と比べて1.1%下回った。減少は3か月連続。うるう年の影響で1日多かった2月に増えたのを除くと、9か月連続の減少となる。
判断は「弱い動き」のまま
総務省は消費の基調判断を「弱い動きがみられる」とし、前月から据え置いた。
品目別にみると、パック旅行費が前年同月比14.6%減と大きく減少。4月に発生した熊本地震の影響とみられる。教養娯楽全体でも0.8%減った。15年にあった補助金がなくなったことからリフォーム需要が減り、住居も4.9%減となった。
その一方で、調理食品などの増加で、食料が1.2%増えたほか、交通・通信も4.7%増となった。
また、併せて発表された自営業者などを除く勤労者世帯の5月の収入は42万6805円と、物価の変動を除いた実質ベースで前年同月を0.3%下回って、3か月ぶりに減少した。