どうなる18年卒の就活スケジュール 地震説、メンツ説いずれにせよ

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再変更が消えたのは地震の影響か

   ここから本題です。2018年卒の就活時期はどうなるのか。そもそも2015年11月の変更時点で、

「『3月・6月』はあくまでも一時的措置。18年卒でまた『12月・4月』に戻す」

とのうわさが立っていました。私も春ごろまではそうなるだろう、と見ていました。

   ところが、4月に熊本地震が発生します。東日本大震災ほど学生に大きな影響を与えたわけではありませんが、この震災への対応として、被災学生に救済措置(選考時期を別に用意するなど)を講じる企業が、金融などに出ました。そうした動きを見つつ、経団連は、就活時期については7月に調査を開始、10月ごろに発表する、と決めました。

   調査発表が10月となると、「12月・4月」への変更はほぼ絶望的。なぜなら、東京ビッグサイトやインテックス大阪、福岡ドームなど合同説明会が開催できる規模の大型会場は、予約が間に合わないからです。警察・消防への届け出などまで考えれば、就活時期の変更は、遅くとも広報解禁の半年前までには決定されている必要があります。

   経団連の調査時期の発表は、実質的には「18年卒は2016年のスケジュールどおり」との宣言に近い――採用・キャリア関係者の多くはそう受け取っています。

   「12月・4月」への再変更が消えたのは、熊本地震影響説のほかに、経団連のメンツから、と見る説もあります。つまり、わずか2年で「12月・4月」に戻すとなると、さんざん議論をして「3月・8月」に変更したのはいったい何だったのか、と批判が集中しそうです。変えた意味がないどころか、かえって混乱を招いたと見方が定まると、変更を進めた側のメンツは丸つぶれ。とうてい受け入れがたいだろうという説です。

   幸いにして「3月・6月」は「3月・8月」ほどひどい不評ではありません。メンツを守るためにも、再変更を潰した......真偽は不明ですが、ありそうな話ではあります。

   一方、「まだ18年卒の再変更はあり得る」と話す関係者もいます。

「21年卒が6月選考解禁のままだと、採用に出遅れた無名企業はオリンピックの影響をまともに受けてしまう。それを回避するためには18年卒から段階的に再変更の必要がある」
「18年卒は2月広報解禁、6月選考解禁とする。2月は試験があるから、1日ではなく16日解禁とする。そうしておいて、19年卒か20年卒で『12月・4月』に戻す」
 

   なかなかうがった見方です。

   このままでは21年卒が東京オリンピックの影響を受ける、というのはその通りです。だからと言って、2月16日広報解禁はどうでしょうか。確かに学生たちの企業・業界研究を十分なものにするために、少しでも就活期間を長くとることは理にかなっています。ただ、16日解禁というのは、いくら後期試験の影響を避けるためと言っても、やはり中途半端すぎます。この説を唱える関係者は少数派です。

 

   当面18年卒も「3月・6月」が維持される見通しが強まってきました。

   では、18年卒となる現3年生はどう対応すればいいでしょうか。

 

   広報解禁が3月といっても、1日セミナーを含むインターンシップ(通称・インターン)は夏休みから秋・冬、3年生の2月にかけて多数展開されます。毎月必ず、とまでは言いませんが、できるだけ多くの企業のインターンに参加することで、視野を広げていく必要があるでしょう。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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